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〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ 2018

目下賞金1位。50歳の正直な胸の内

50歳が、目下悩ましい首位にいる。賞金ランク1位の谷口徹。今年の全英オープンは、次週の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」までの同2位までの選手に出場権が与えられる。
5年ぶり10度目の挑戦には絶好の位置だが「決まってから考えます」と、ベテランは慎重だ。

今週21日の月曜日に兵庫県で行われた全米オープンの最終予選は今年は、とりやめた。
1日36ホール。「去年はバンカーから足が上がらずどうしようかと思った。引退もよぎった」と連戦の合間の長丁場はもうこりごりだった。
それに、「飛行機もけっこうつらいしね」とたとえ権利を獲得できても、長時間の移動に耐えられるかどうか・・・。

劇的プレーオフを制して日本プロで、3度目のタイトルを獲ったといってもシニア入りの年齢に達して、体力と気力の不安と常に、隣合わせだ。
それだけに7月の全英オープンも、仮に切符を掴んでも果たしてその気になれるかどうか・・・。
「コースはどこ?」と、谷口。
今年の会場を聞いて「カーヌスティ!!」とやにわに目が輝いた。
「めっちゃ難しいじゃないですか。前は、確か賞金1位で行って、えらく場違いなところに入れていただいた」と、同コースで行われた2007年大会ではミケルソンとウェストウッドとの同組に、初日から大ギャラリーにまみれて「なんで自分がこんなところに入っているんやろう」と首をかしげながら奮闘した記憶。
「懐かしいな。えらい組に入れていただき光栄でした」と遠い目をした。
「ウェストウッドが、イギリスでしょ。えらい人気で、歓声が凄くて。どこかでセカンドを放り込んだらエグい声援でしたよ」とひとしきり、思い出話が止まらなかった。

さては早くも心は2度目のカーヌスティに飛んで・・・。
「いや、ないですよ。今はね」と、たちまち現実に戻ってきた。
若い頃には抑えきれないほどにあったメジャーへの意欲。
「今はもうなかったんですけどね・・・」と、たちまちトーンダウンした。
「しんどいというか、もう歳だからというか。ある程度出たし、僕が行っていた頃のレベルよりもさらに上がっている。今の時代のゴルフは、規格外のショットばっかり。今の自分が行ってもかなり厳しいと思う」と、今はまだ、前向きにはなれない。

「まあ・・・まだ確定しているわけではないし。それよりも目の前の試合を頑張っていかないと。出るためには目先の試合でこつこつと稼いで、考えるのはそれから」。
そして今週の会場は、8000ヤード超というのも、50歳には脅威だ。「無理です、長過ぎ! 僕だけシニア用のティを選ばせてくれないかな」と、半分本気の冗談を言った。
「(全英オープンは)決まってから考えるよ」と、またぽつりと繰り返した。

そんな谷口徹が目下、1位につける。今週は、真っ只中の「全英オープン日本予選ランキング」のほかに大会の上位4人にも出場権が発生する。老いも若きも全英への道を、追い求める。見逃せない1戦は24日に開ける。


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