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カシオワールドオープン 2018

石川遼は「心残りがある」

石川が今年最後のホスト試合に挑む。今週はメインスポンサーのカシオ計算機が主催。予選ラウンドの木・金は、大会が誇るホストプロの“応援ツアー”(※)が行われるなど、初日から大きな注目を集める。

「今週だけ自分が持っていない力が出せるということはない。今までの積み重ねが出ますので。いまあたふたしても、意味はない」と、現状の自分を冷静に見据えながらも「なんとか期待に応えたい気持ちはある」。

中でも今年は「心残り」が最大のモチベーションだ。
今年6月の突然の訃報。
樫尾和雄・カシオ計算機会長兼CEOが同18日、89歳で亡くなられた。
13年に、所属契約を結んでから常に、厳しくも温かく見守ってくれた恩人だった。
「初めてお会いした時に言われたのが、現状に満足せずに技術を追い求めていけ、と。既成概念にとらわれずゴルフを追求していけと。会うたびに仰られたことが、心に刻まれています」。
厳しい競争の中で、常に高い技術力を提供し続けることで、世界にも広く通ずる一流企業にまで押し上げた経営のカリスマ。

その一言一句にゴルフにも通じるものが、山ほどあった。
「お会いするたびに、励まされて。頑張ろうと思えた。自分のゴルフを作り上げていく課程でお言葉のすべてがキーになった」と振り返る。

史上最年少の選手会長をつとめる今季、特に「ゴルフ界のイノベーター(革新者)になれ」とのお言葉は、「それがどういうことなのか。自分はまだ分かっていない。永遠の宿題を頂いた気持ち」と、噛みしめている。

16年に、松山英樹と出たISPSハンダワールドカップと今大会の日程が重なったとき、「ヒデキと組んで世界一を獲りたい」と、今大会の欠場を願い出た際にも快く送り出してくれた。その恩義にも「感謝しかない」と、今も忘れられない。

20日火曜日に行われた前夜祭パーティでは会長をしのぶ追悼のビデオが流れた。壇上の挨拶で、選手会長のホストプロとしてマイクを握った石川は「この大会で、今まで優勝のチャンスは2回あった。しかし、会長に優勝をお見せできなかった。会長がおられるときに、優勝がしたかった。今も心残りです」と、話したという。

15年と昨年大会と、2位は2度あるが勝てなかった。
樫尾会長が、プレーについてロープの外から応援してくださった15年は最終日に一時2位に3打差をつけながら、韓国の黄重坤に逆転を許した。
昨年は、会長が体調不良で不在の中、また負けた。
恩返しも出来ないまま、訃報の一報を受けて絶句。
「今年こそ会長の前でと思っていたのでまさか・・・」。無念でならなかった。

今週は、プロキャディのみなさんが、樫尾会長への哀悼と感謝の気持を示すため、カシオの代表ブランド「G-SHOCK」のロゴ入りの黒のリストバンドをつけて、選手たちのバッグを担いでくれるそうだ。
故人にも、きっと思いは伝わる。
「本当に今週は、特別な思いを持っています」。
悲願の大会初制覇で、墓前にホストVを届けられたら。

<※お知らせ>
石川のプレーが間近で観られる「石川遼プロ応援ツアー」で、ガイド役をつとめるのが田中秀道(=写真右)だ。今週は、JGTOのセッティングアドバイザーとの二足のわらじで、「トーナメントの楽しさや、僕の目から見た石川選手の魅力をみなさんに余すところなくお伝えできたら!!」。
同じプロ目線から見た生解説は、「史上最年少のアマVから一気に上り詰めていった石川選手も素晴らしいですが、苦しみながらも懸命にゴルフに取り組む今の石川選手の姿勢も本当に素晴らしい。そういった部分もお話できたらと思っています」(田中)。
開催は22日(木)と23日(金)の2日間で、各日とも定員15人
朝7時から、9番グリーン奥の坂を下ったところにある「ギャラリープラザ黒潮」の総合受付にて受付開始。
参加者多数の場合は、抽選で決定します。
ご希望の方は、お早めに!!

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