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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2018

人生は一度きり。川村昌弘は餞別のV2狙い

前日に63の大爆発をやった翌日のゴルフの「“あるある”。『昨日はあんなにスコアが出たのに、なんで今日はうまくいかないんだ』と。そういうのがありがちですが、今日は今日で良いスコアで回ってこられた」。
何より、ボギーなしで上がれたのが良かった。

たとえ狭いホールでも、刻まないと決めている。
ゴルフ人生最大といってもいいスランプに陥り、フルシーズンチケットを無くしたのは昨年。
「守って、刻んで、置きに行って、そういうゴルフに慣れて、ついにどうしようもなくなったのが、昨年」。

反省して、気持ちを入れ替え、「ドライバーを持って、振って行こう」と、攻めのゴルフに転じたのも昨年の今頃だった。
その分、この日のように、ピンチを迎えることも増えるが「今日は苦しいパーパットもたくさんしのげた」。
大ピンチを一転、チャンスに変えたホールもあった。
左の林超えの16番パー5で、ティショットを左の林に打ち込んだ。
木の枝が邪魔をして「高さが出せない」。おまけに、むき出した土のライから打った2打目は、確かに「きれいに抜けていった」と手応えはあったが、あれほどチャンスについたとは、思わなかった。

「花道か、バンカーに行ったかな」と思ったショットが、ピン7メートルに乗っていた。
「ピンチっぽい感じから、凄いチャンスに今日、一番動揺したホール」と、ミラクルショットに自分が一番驚いた。
最後の18番も2オンして、2パットのバーディ締めで、最終日を前に、2013年の三井住友VISA太平洋マスターズの初日以来となる首位に並んで「去年の今頃は考えられなかったこと」。
シード権の確保にすら苦しんだ昨シーズンの今頃を思えば「こういうところまで、持ってこられたことが嬉しい」と、しみじみと噛みしめながらのV争いだ。

若きゴルフトラベラーは2週後にまた、旅に出る。
来季欧州ツアーの出場資格をかけたQスクールでスペインに飛ぶ。
「ゴルフバックを持たない旅を、最近覚えた」。
3月に、バックパック一つで入国してから2度目となるバルセロナは「サクラダファミリアには、5分もいなかったけど。歴史的建築物は、それほどでもないけど景色や美味しいご飯がまた楽しみ」と、胸躍る。
「18歳で、日本ツアーのQTを受けて以来の長丁場」と、スペインでは6日間のシビアな争いでも、ゴルフゴルフとシビアにならないのが、マー君流。
パスポートのスタンプは、軽く40カ国を超えた。
「人生、1回だけですからね」。
より満喫するためにも、旅立ち前のV2はぜひ欲しい。

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