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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2017

孔明よ、お前がやらなきゃ誰がやる?!

いよいよシーズン最終戦も「腰が痛い、足も痛い。関節とか・・・体ボロボロ」。
泣き言の元賞金王は、朝からレジェンドのカツに背筋を伸ばした。
JGTO会長の青木功は、顔を見れば「お前がやらなきゃ誰がやる? 気持ちでやれ!」。

一度は絶望した晴れ舞台である。
今季は国内開幕戦から、あいだ1戦棄権を挟んで、5試合連続の予選落ちを喫した。
海外2戦目の「レオパレス21ミャンマーオープン」を含めば6試合連続という、さんたんたる結果は「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で11位に入ってやっと人心地がつけたといっても、ツアーは半ばを越えても、まだ今大会の出場権にはほど遠かった。

「この大会に出ることが、トッププロの証しだから。毎年、この試合に出ることを目標にして、今年もなんとか出られただけでも良かった」。
賞金王に輝いた2014年のあとは勝ち星も、8つで止まったままでも終盤の粘り腰で、今年もまたこの舞台にこぎつけた。

11回連続11度の出場は、出場選手最多の20年連続20回の片山晋呉に次いで、2番目の最長記録である。

体の痛みに悲鳴を上げていた孔明が、この日は6番のイーグルを含む68でスコアをまとめて、元王者の誇りを取り戻した。
「サトシも今年は1位でここに来たといっても、やっぱり“来る”ものがあると思うんですよ。それでも持ちこたえて良い結果を出すのが賞金王」。
ちょうど3年前の自分もまた味わった重圧と、そこから解き放たれる瞬間の陶酔を思い出しつつ、孔明は孔明で、青木の言葉を改めて胸に刻んだ。
「俺もイテーとか、なんとか言ってらんない。今年最後の締めくくりと思ってやる」。
勝てば無条件で来年は、12年連続12回目の大会出場も決まるぞ。

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