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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2017

今年最後にお帰り! 谷原秀人が11試合ぶりの日本ツアー

今季巡った国はアイウエオ順にアイルランド、アメリカ、アラブ首長国連邦、イギリス、イタリア、オーストラリア、シンガポール、トルコ、フランス、南アフリカ、ミャンマー・・・。世界中を回ってきたからこそ、話もかみ合う。

久々に握手をかわした青木功。
たとえば「普通にコースの外に、ゾウさんが歩いている。なかなか見れない。あれは感動」と、谷原が目を輝かして振り返った南アの大会は、「俺も30年前に出たんだよ」と、青木に言われて「マジっすか?!」。

惜しくも2位に終わったそうだが、「俺の時はまだ、アパルトヘイトで。税金も半分なので、儲からなかった」などと、今度は時を隔てた会話に感動した。

2017年度の賞金ランク27位につけて、初シードに成功した欧州ツアー。
「今年、感覚的にはルーキーですよね。この歳で、これだけ初めてのコースがあるのかな、と。芝も気候も球の飛び方も違う」と日曜日に飛行機に飛び乗り、月曜日にはもうコースを見て回って、国境を越える旅の連続は、まさにいちからの習得に「時差ボケを感じる間もないくらいに、休まずクラブを握っていた」。

今週は、世界ランクの資格で出られると知って、先週のアジア/欧州共催の香港オープンからきゅうきょ日曜日に日本に戻ってきたばかりで、ヘトヘトだ。
「オッサンだから。疲れはなかなか抜けない」。
39歳。日本ツアーにも、確たる地位があるのに、なぜその年齢で、そこまでして出ていくのか。
「何でですかね・・・」と、苦笑いで首をかしげて、「“この歳”とかあまり、関係ないのかもしれません。青木さんみたいなもの。青木さんも昔、転戦していたでしょう?」と、そこもレジェンドの生き様と、合致するところと谷原は感じる。

昨年はここで、池田と賞金レースを争ったが「今年のモチベーション・・・それが難しいところ。勝って賞金王でもなんでもない。何にもないですから」と、それとは引き替えに、今年は世界各国で二度と出来ない経験を、スーツケースに詰め切れないほど持ち帰った。

今大会が終われば、ほとんど休む間もなくまた、来季も旅に出る。2年目の欧州で掲げた目標は、いま試行錯誤のスイング改造を、「1ミリでも1センチでも」完成に近づけることだそうだ。
「なかなか目指しているスイングが出来ない。小学か、中学生に戻らないとダメなのかな。若いころからやっていないと」。
12歳からゴルフを始めて、27年のゴルフ人生。染みついたものは、なかなか抜けずに「なかなかほど遠いですけど今までやってきたゴルフ。ダメという否定はしたくない。目標は今までより、さらにスイングを良くすること。そうしたら成績も付いてくる」。
男・谷原、今日もゆく。

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