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日本オープンゴルフ選手権競技 2017

金谷拓実さんが大会史上最年少&90年ぶりのアマVへ! 

今度は、大学の大先輩との最終日最終組に飛び込んだ。逞しくなって大舞台に舞い戻った。大学1年になった金谷さんが、27位から急浮上して「自分でも驚いています」。

1番でボギーが先行も「今日は我慢の1日」。耐えてきっかけを掴んだのは7番。544ヤードのパー5は、220ヤードの2打目を3Uで右手前8メートルに乗っけてイーグルを奪った。

「ここから波に乗れた」と9番からインコースをまたいで4連続バーディを奪った。「あのころより飛距離も伸びて、スプーンで打っても前より距離が残らなくなった」と迷わず刻みに徹して、ラフに入れたのはこの日わずか3ホールだけ。
イーブンパーからの巻き返しを狙った3日目は安定したゴルフで、プロに混じって5打差の2位に居座り「2年前は緊張もしたし、技術的にもまだまだな状態からちょっとは上手くなったかな?」。

自身3度目のゴルファー日本一決定戦。初出場は、史上最年少で日本アマを制した2015年。広島国際学院高校2年時にも、ここでV争いを演じた。
当時はショットのたびに、ガリガリのウェストからはみ出すシャツの裾を、幾度もベルトにしまいながら歩いた。
同年覇者の小平と最終組で回ったのは大会3日目。
最後は崩れて11位タイも、史上最年少のローアマを獲得して、鳴り物入りのプロを目指したのは昨年の2016年だ。

数々の輝かしいタイトルが、足かせになった。
「成績を出さなければ」と自ら背負った重圧に、得意なはずのパットの不振も重なりQTは、ファイナルで失敗してプロ転向は見送った。
「鍛え直す」とこの春から進んだ東北福祉大では、充実した施設で、週4のトレーニングに取り組み体重は10キロ増。寮の食事もモリモリと、67キロまで肥えてシャツももう、ズボンからはみ出さない。

飛距離も20ヤード伸びたが、偉大な先輩にはまだ及ばない。松山英樹と来る20年の五輪の舞台を回ったのは4月。霞ヶ関で「40ヤードも置いていかれた」。少しでも追いつきたくて、重ねた努力をいま見せたい。

2サムの最終日に最終組で回るのはやはり、大学の大先輩との一騎打ち。
19歳と145日目に池田との5打差をひっくり返せば、大会史上最年少&90年ぶりのアマV(※)だが「今日までと変わらず、しっかり自分のプレーがしたい」と、冷静に言った。
松山も、今週は海の向こうの米ツアーで2日目を終えて、6打差4位タイにつけており、金谷さんも負けられない。

※現在の大会アマV記録は、第1回(1927年)の赤星六郎氏。史上最年少Vは、第2回(1928年)の浅見緑蔵氏(19歳281日)



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