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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2016

ツアー初出場の金奉燮が単独首位に!

金奉燮=キムボンソプは、いざ戦いの場を与えられたら水を得た魚。33歳の中堅は、この日を首を長くして待っていた。この好機を逃さなかった。
初日の66に続いて、この日も攻めに攻めた。前半の16番が契機となった。残り110ヤードの2打目は、キュキュキュっとバックスピンで、カップインした。
パー4でのイーグル獲りに勢いづいた。次の17番では、15メートルのバーディトライをねじ込んだ。18番ではアプローチをピンそばにつけて、連続バーディを奪うともはや、どこからでもパットが入る気がしてきた。
最後の9番も、10メートルが「カップに吸われているような感じだった」とみごとなバーディ締めに、ガッツポーズを振り下ろした。
日本ツアーはこれが初出場にして、単独首位で大会を折り返した。

2006年にデビューしてからずっと、母国ツアーが主戦場だったが2014年には冒険してアジアンツアーに参戦。2年間を戦ったが昨年は、シード落ちを喫して次の行き場所を探していた。

現在、日本ツアーで戦う朴相賢(パクサンヒョン)と同い年。「友達が、日本でやったらどうかって」。すでに、仲間がひしめく隣国のツアーに挑戦することに迷いはなかった。

しかし昨年のQTは、ファイナルまで駒を進めながらも、6日目の最終日に12人タイの33位に。翌年のツアー出場権が与えられるのは、上位35人だけである。
12人ものプレーオフにあぶれて、結局ランク38位には「落ち込んだ」。
ジリジリと出番を待ち続けて今週は、やっと掴んだチャンス。
「日本で初めての試合ですので欲を出さず、目標は予選通過」と殊勝なことを言いながら、蓋を開ければ単独首位で、初出場の大会を折り返してみせたのだ。

今年は5月の関西オープンで、やはり韓国の趙炳旻 (チョビョンミン)が、初出場の初優勝という快挙をやったばかりだ。
「彼は6つ下の後輩ですが、僕も自分のことのように嬉しかった」。
次は我こそが、そのビッグチャンスを前にして、またしても無欲を装う。
「プロとして、優勝したいのはもちろんですが、今はただ、欲張らずに黙々と、1打1打を大事にしたい」。
強い韓国勢が、また彗星のように現れた。

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