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今度こそ、人気の女子に負けるもんか(日立3ツアーズ選手権、12月15日)

勇壮な戦士の舞も、2年ぶり8度目の悲願には届かなかった。
オープニングで選手会長が「JGTOは、ジャパン(J)ゴルフ(G)強い(T)男(O)の略」と、ユーモアたっぷりに宣言した代表挨拶も、空回り。

男子と女子とシニアの対抗戦「Hitachi 3Tours Championship (日立3ツアーズ選手権)」は、2位に4差の12ポイントを獲得したLPGAが、4年ぶりの圧勝。人気もゴルフも、女子に負けた。シニアのPGAと、僅差の2位争いにも敗れた。男子のJGTOは7ポイントで、2年連続の最下位に落ちた。

朴相賢(パクサンヒョン)と黄重坤(ハンジュンゴン)の鉄壁コンビはそれぞれ自球を打つベストボール競技の前半こそ力を合わせて7アンダーを記録。勝ち点2を持ち帰ったが、後半は一球を交互に打つオルタネート競技で失速。最終ホールの池ポチャボギーでチーム最下位の1アンダーは、ポイント1にとどまった。

前半ペアの堀川未来夢と、開幕のステージパフォーマンスでラグビーのNZ代表で有名な勝利の舞「ハカ」を披露。リハでは恥ずかしがって、ガンとして踊ろうとしなかった今平周吾はいざ本番ではみごとに息のあったところを見せたが、マオリの祈りも届かず。
昨年の雪辱を、誰よりも期していただけに「凄く良い組で回らせてもらったのに、いいプレーができずに今年もまた負けて残念。悔しい」と、前後半ともチームに貢献できずに歯噛みした。

「JGTOは、初めから厳しい戦いだった」と、石川遼。
どのホールも男子のティが一番遠く長いところでは、女子とは70ヤード差。特にパー3での50ヤード差はきつかったが、もうそれは言うまい。

「甘いセッティングで勝っても意味がない。厳しいからこそ僕らが勝てたら嬉しいと思って頑張りました」。

男子が束になってかかっても、負けた。
見た目の華やかさだけではなかった。石川が特に感心したのは女子のみなさんのアイアンショットの精度。「7、8、9アイアンを持った時が凄いな、って。一番後ろのティから一緒にやっても負ける可能性がある。要するに、女性の方々は、ほんとに非常にゴルフが上手かった」。

この日1日で、6567人ものギャラリーを集めた。その中で全力でぶつかり、最強ツアーの底力を見せつけるつもりだったが、終始コースに充満するアウェイ感。
「女子のみなさんが、こんなにも大勢の方々を連れてきてくれた。ありがたかった」。

石川は、シーズン中のテレビマッチで面識はあったが、男子はほぼ全員が、シブコさんとは初対面。
噂のフィーバーと、その魅力を実体験して、2年連続の賞金王も圧倒された。
「本当に、凄い人気。男子にはない感じ」と、今平も感心しきりだ。

堀川も「男子と全然人数が違う。こんなに大勢の前でゴルフをして今日は緊張しました」と、驚きを素直に表現。
「人気でも、男子は負けてしまったけど今日はたくさんの方々の前で、ゴルフをさせてもらったおかげで僕らの迫力も、ちょっとは見てもらえた。今日来てくださった方が、これを機会に僕ら男子に少しでも、興味を持ってくださったのなら嬉しく思う」。

韓国の黄は、兵役前のこれがほんとにほんとのラストゲームだった。「負けたのは、悔しかったですけど女子やシニアのみなさんと試合をしたのは今日が初めて。良い思い出を持って行けます。本当に楽しかったので、戻ってきたら、またこの試合に出られるように頑張る。その時はまた、どうぞよろしくお願いします」と頭を下げて帰郷。

このままでは終われない。
もう一度、必ずまたリベンジに戻る。
「次こそ勝って最下位から脱します」と、今平。
今度こそ、人気の女子に負けるもんか。

<総合成績>
1位 LPGAチーム 総合 12point  (1st 3.5p、2nd 8.5p)
2位 PGAチーム 総合  8point  (1st 2.5p、2nd 5.5p)
3位 JGTOチーム 総合  7point (1st 3p、2nd 4p)
  • JGTOの略って何か知ってるかーーーーー来年証明
  • 堀川と息ぴったりのハカ。「JGTO、絶対、勝つぞ…!!」(恥ずかしかった…BY周吾)
  • ジュンゴン、達者でな
  • 男子と女子が、一堂に会す稀有な機会。LPGAのみなさん、今年も本当にありがとうございました!

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