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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2016

驚異の48歳! 谷口徹が渾身の1アンダー

朝から強い風。深いラフ。初日から、すでに堅いグリーン。誰もが例年以上に悲鳴を上げる。今年の宍戸で、48歳が元気に飛び出した。4日間とも全員が1番ホールから出ていく1日延々ワンウェイスタートで、この日最初にアンダーパーで上がってきたのが谷口だった。

先週は、5月23日月曜日に兵庫県の東広野ゴルフ倶楽部で行われた全米オープンの日本予選で1日36ホールを回って、自身10度目の出場権を奪ったはいいが、当週は全英オープンの出場権がかかったミズノオープンで、あえなく予選落ち。

ベテランにはなおさら過酷なスケジュールに、先週は初日前半の6番を最後に、なかなか取れなかったバーディが、この日は4番で「34ホール目にやっと来て。感覚を思い出した」。
そこから5番で7メートル、6番で1メートルと、一気に3連続バーディを奪って、「貯金が出来た」。

481ヤードのパー4は、難易度1位の17番で、渾身のバーディを奪った。
「左のラフに入ったティショットが運良く出てきた」。200ヤードの2打目は2Iか5Wか。思案の末に握りしめた5Wで、奥3メートルにつけた。下りのシビアなバーディトライを読み切った。久しぶりにガッツポーズも飛び出した。

この日、ラフに入れたのは次の18番と、「2ホールだけ」と、ショットも好調。最後のピンチも最小限の怪我で乗り切る。右のラフから出しただけの3打目は、奥を警戒して手前に長いパーパットが残って、ボギーを打ったが通算1アンダーは、ライバル藤田と並んで5位タイにつけた。

「最近、80点は良いゴルフが出来ていたけど、残り20点はパット。スコアを決めるのはやっぱりパッティング」と今週はグリーン上で、元来の狭いスタンスに戻して吉と出た。昨季から一念発起の筋トレのおかげで「飛距離が伸びて、前は届かなかったロングも届く」と、若い選手とも張り合う毎日。
日本プロと日本オープンでそれぞれ2勝。“日本”と名のつく3つめのタイトルにむけて、上々の滑り出しだ。
「まだ初日」と、まだ色気のないふりも「ティショットが飛んでいるし、パットも良い。期待はある」。難コースで隠しきれない欲望をのぞかせた。

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