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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2016

狙われた25歳! 小袋秀人が首位タイに

シルエットクイズ。どちらがどっち?!
初日から、新会長の期待にしっかりと応えた。最後の18番は、ピンまで15メートルのバーディトライ。のぼってフックしたあと、なだらかに下るラインを読み切った。西の向こうにとっぷりと陽も暮れた宍戸の森に、ガッツポーズのシルエットが躍動した。

大会は、4日間とも全選手が1番からスタートするワンウェイスタート。初日は最終組の3つ前で回った小袋が、競技終了間際に首位タイに踊り出た。

好発進を、恩人らが出迎えた。
グリーン奥のアテスト小屋の前で待ち構えていたのは、宍戸ヒルズカントリークラブの草野道朗・総支配人。「学生時代から、お世話になった」。茨城県の鹿島学園高時代は国体の選考会などで、よく回ったコースであり、「その頃から応援してくださる方もたくさんいて」。
さらに、先の練習グリーンで仁王立ちしていたのは、大会主催のJGTOの新会長。青木功の姿を見つけて駆け寄った。2アンダーで上がったと報告した途端に笑み崩れて、「君のために、コースセッティングをしたんだぞぉ」と憧れのレジェンドに、そんな戯れ言を言われたのも嬉しかった。

昨季のファイナルQTランク29位で、資格が下りてきた初の出場権。しかしまだ出られるか微妙だったときに、青木が白羽の矢を立てたのが小袋だったという。
人を育くむとの信念のもとに、起ち上げたツアーの新体制で、主催競技の今大会は特に、アマ時代に十分な実績を上げながらも、まだ日の目を見ない若手にチャンスをあげようと、イキの良いのを探していたという。

その点、2012年の日本アマを制して、ジュニア時代からナショナルチームにも名を連ねた小袋は青木の目にも、申し分ない人材だった。「おまえ、青木さんに目をつけられてるぞ」と、JGTOのスタッフから聞いてぎょっとするやら、これまた嬉しいやら。

初出場の難コースは、スタートでさっそく波に乗るピンそばのバーディ発進も、後半は14番で、右OBのダブルボギーを打つなど波瀾万丈の1日。「今日は本当に色々あったけど、結果的に良い1日」。強い風が吹く中でも「我慢して、我慢して回ってきた」。頑張った25歳の若者は、1日の最後に宍戸の神様からご褒美をもらった。「アンダーパーで回れれば100点だと思っていた中でこれだけ出来たことは、自信になる」。最終日にこそ、恩人に感謝を伝える。

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