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日本オープンゴルフ選手権 2016

片山晋呉が明かしたオープンの秘策

81回目の日本オープンも、日に日にアンダーパーの選手が減っていく。大会2勝のベテランが、思っていたとおりの展開になっていく。
本人にとっては、5年ぶりに回ったというここ狭山は、10日の月曜祝日に、あえてプレーはせずコースをただ歩いて見て回った時に、8年ぶりの秘策を決意した。

あれは永久シードの通算25勝を達成した2008年の福岡だ。古賀ゴルフ・クラブもあまりにタフなフィールドに、ドライバーをバッグから抜いた。あれから2度目の決断が、この2日は「ぴたっとハマってくれた」と、イーブンパーを2つ並べて大会3勝目を確実に射程に入れた。

「やりがいのある展開になってきた」と、ニヤリと笑った。
2日の予選が終わってアンダーパーの選手は4人に減ったが、初日から「ほとんどいなくなるだろう」と、想定していたとおりになった。
最後の9番でも惜しいバーディパットを外したが、「パーでいい」と悔しがるどころか「これ以上ないくらいに最高です」と、大満足の決勝進出。

「オープンは、頑張っちゃいけないんです」と片山は言う。
「頑張らないで、踏ん張らないといけない。このニュアンスを感じて下さい」。

こんなに狭いフェアウェイではラフに入れないわけにはいかない。タフな戦いの中で耐えて、「頭使ってどうパーセーブするか」。
これまでの経験をどう生かすか。
「失敗もたくさんしたが、成功してきた数も誰よりも多い」。
数々の傷跡も勲章に「最後に誰よりも1打上回ることを目指して踏ん張りきりたい」。

今年も、錚々たる歴代覇者と宴を共にした開幕前日水曜日の恒例の「チャンピオンズディナー」で、2度目の連覇を誇るレジェンドにも、心の火をつけられた。
「中嶋さんが、“俺は4勝している”と。2回ではまだ足りない」。
日本一の称号は「俺には特別」。何度受けてもまだ欲しい。

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