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旅をこよなく愛する21歳、川村昌弘が欲しいもの

誰もがほしがるプロ日本一の称号も、旅をこよなく愛する21歳には、この先5年は申請しなくても済むパスポートのようなものである。「それがあれば、もっと自由に動ける」。優勝で得られる5年シードを足がかりに、ますます海外に飛び出す計画だ。

いまはパットに難ありだが、「ショットは100点。凄く調子が良くて、不安なく出来ている」と、この日ボギーなしの66を出して、3位タイに浮上した川村。
時差ぼけもなんの! 「それよりも、花粉症がひどすぎて。日本に帰ってくると、花粉との戦いがつらい」とコースでも、たびたび派手なくしゃみを繰り返してため息。「かゆみがひどくて、鼻水が止まらない」。集中力を保つのも、なかなか難しい症状の中でしぶとく、スコアを伸ばしてきた。

世界のセレブも憧れる。屈指のリゾートアイランドから、帰ったばかり。アフリカ大陸の東。インド洋に浮かぶ島。モーリシャス島で先週、行われた「アフラシアバンクモーリシャスオープン」は、アジアンと欧州、そしてアフリカの“サンシャインツアー”が初めて共催を果たした大会で、川村は堂々5位に入った。

帰路はモーリシャスからドバイ経由で8時間。さらにドバイから日本まで10時間をかけて、帰国したのは11日月曜日の深夜。13日水曜日の早朝にコース入りして、18ホールの練習ラウンドをこなす強行軍も、もはや慣れたものだ。
2013年の「アジアパシフィック パナソニックオープン」で、ツアー初優勝を果たして、手にしたアジアンツアーの出場権。「ゴルフをして世界中を旅するのが小さい頃からの夢だった」と喜々として、日本との掛け持ち参戦に臨んだ2014年も、世界十数カ国を回った。

毎週のように国境を越える旅の連続は、確かに身体のつらさはあったけれども、それ以上の喜びがあった。。「ろくに言葉も喋れないくせに誘われて、いろんな国の選手とご飯を食べたり、日本では、まず経験できないようなコースでゴルフができる面白さ」。

海外の選手たちは、口々に言う。「日本ツアーが憧れだ、と」。まず賞金の高さ。「あと、移動が楽だし、ご飯も美味しいし、環境もいいし、いいことづくめ」。川村ももちろん、ホームツアーを愛しているが、しかしそれ以上に「僕は旅することが好きなので」。帰ってきても、外に出ていきたくてウズウズする。
そんな川村には今大会も、日本と名のつくメジャータイトルという意味合いよりも、5年シードが得られる試合。この先5年、さらに自由に海外を飛び回れる猶予が得られるという意味で、ぜひとも「欲しいタイトル」と、目を輝かす。

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