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フジサンケイクラシック 2015

3度のドライビング王! 額賀辰徳(ぬかがたつのり)が好発進

全長7471ヤードのパー71で行われている富士桜で、2人の飛ばし屋が好スタートを切った。まずは31歳の額賀。14番は425ヤードのパー4で、2打目の距離は85ヤード。「あれは、飛んだし、感触も凄く良かった」と、会心のティショット。
この日は、前のティを使ったが、今年5番は後ろのティを使えば535ヤードの長いパー4となるなど、「他の選手が“ここはなげ〜わ”と言ってる中で。自分は楽にプレーが出来る」と、この日奪った6つのバーディが物語る。

「それが自分の取り柄なので」と3週前に珍しく、腰を痛めて治療中でも、そこは譲れない。相変わらず豪快に攻めて「それで、なかなか腰が治らないのかな」と苦笑いも初日から、一番の武器を駆使して「アイアンとパットもいい」と、攻守ともに揃えて特に8番では大満足のバーディ獲りだ。185ヤードの2打目を7番アイアンで左3メートルにつけるなど、持ち味を存分に活かして2位タイにつけた。

09年、10年と12年で飛ばし屋1位。ドライビング王の名を欲しいままに、2009年に初シード入りを果たすも、翌年すぐに陥落の憂き目に、「半分、腐りながらやっていた年もある」。
レギュラーツアーはおろか、チャレンジトーナメントの出場権すらままならない時期もあり、どん底から懸命に復活を期す中で気がついた。
「自分には、ゴルフしかない、と」。
昨年のファイナルQTもランク90位とギリギリの予選通過も、「これまでに比べれば、チャレンジも全部出られるし、ツアーメンバーになれただけ、自分にしたら凄いステップ」。

プラス思考でこつこつと、出口を模索しながら7月には、出場優先順位の組み替えにより、リランキングは13位にのし上がり、今大会は今季6試合目のレギュラーツアーだ。
「今となっては前向きに、気持ちも身体も入れ替え充実している」。この日も何より、試合に出られる喜びを噛みしめながら、回ってきた。
今年はツアー規定の改定により、秋には昨季の賞金ランクの60位から75位の選手も合わせて、再び出場優先順位の組み替えが行われるが、「正直、今そこは考えないようにしている」と、雑念は振り払う。
「それは結果にすぎないんでね。それよりも、自分のゴルフをしっかりとやること。それがすべての面で、近道と思っているから」。富士の麓も踏みしめながら歩いていく。

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