Tournament article

ゴルフ日本シリーズJTカップ 2015

「最後だから。明日は勝つか負けるか」孔明が捨て身の覚悟で挑む今季初V

6番パー5では、5番ウッドで打った残り252ヤードの2打目をグリーンの右奥から、うまく傾斜を使って、ピンまで5メートルにつけた。みごとなイーグル獲りも、この日は4バーディの66も、「自分なりに、良いゴルフはしていた」と、内容はけっして悪くない。けっして引けを取らない。

それでも「かすんじゃったね」と、この日は63で回った石川のかたわらで、肩をすくめた孔明だ。
「ドライバーも振りぬくし、アイアンもキレてる。自信を持ってやっている」と、石川を褒めた。「今日は遼が、一枚上手だった」と、この日のところは素直に白旗をあげるしかなかった。

最終日を前に、3打差をつけられたことも、痛かった。「今日の遼のゴルフを見ていたら、そう簡単には縮められないと思う」と、今年最後の1日こそ、もっとも厳しい戦いになることは、今から目に見えている。
「奇跡みたいなバーディーパットを何個か入れないと追いつかないと、思います」。

分かっちゃいるが、今季初勝利の最後のチャンスも、そして悲願の日本と名のつくタイトルも、昨年の賞金王としては、この期に及んでどちらもあっさりと、手放すわけにはいかないのだ。
「これで守ってるようじゃ、意味がないので」。
孔明は、捨て身の覚悟で挑む。
「明日は2位なんか、見ていない。崩れてもいいからがむしゃらに、上だけ目指して行く」と、誓った。
「明日は最後だから。優勝しか見ていないから。勝つか、負けるか。それぐらいのゴルフで行きたい」と、今年最後の1日こそ、一心不乱に頂点だけを睨んで歩く。

関連記事