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エリートグリップチャレンジ 2025
ツアー通算8勝。小田孔明が今週の試合を最後に第一線から退くことを決意
「本当はもう少し前にレギュラーツアーとチャレンジから身を引こうと思っていたんだけどね」
2日間通算9オーバーで予選落ちが決まった小田孔明がプレー終了後に話し始めた。
1978年生まれの47歳。レギュラーツアーでは8勝を挙げており、2014年には賞金王にも輝いている。ただ、45歳のときに15年間守り続けた賞金シードを手放すと、ここ3〜4年は思い通りのゴルフができずにいた。膝の怪我などもあり、満身創痍で出場する試合では結果を残すこともちろん、納得できるゴルフができない。そんなフラストレーションも溜まり、心身ともに疲れていたことも事実だ。
今週の舞台はツアーでも屈指の難度を誇るゴールデンバレーゴルフ倶楽部。そこで結果を残すことの難しさは小田自身が一番よくわかっていたが、あえてここを最後の試合に決めたのは、長年お世話になってきたエリートグリップへの感謝の気持ちからだった。
「23歳で初めてQTを受けて24歳からツアーに出始めました。今の自分の体の状態なんかも考えて47歳でレギュラーツアーとチャレンジツアーには一区切りをつけようと決めました。本当に長い間、たくさんの方に応援していただきありがとうございました。寂しい気持ちはもちろんありますが、ゴルフから離れるわけではないので、もしかしたら福岡の試合なんかで推薦をもらえるようなことがあればまた会場でお会いできるかもしれません。ただ、とりあえず一度試合から離れてゆっくり自分の体と向き合いながら、2年半後のシニアツアーに向けて準備をしたいと考えています。今回出場させてもらったエリートグリップさんはもちろんですが、たくさんの方に支えられた選手生活だったと思います。本当にありがとうございました」。
先月の『ロピアフジサンケイクラシック』でツアー初優勝を飾った長野泰雅はチーム孔明の一員。出水田大二郎や秋吉翔太、北村晃一ら小田よりも若い選手から慕われ、今やチーム孔明は40名を数える。その中には今季レギュラーツアーで活躍する内山遥人や、ACNツアーに出場している中島邦宏ら成長著しい選手らもいる。小田を慕ってゴルフのいろはを学んだ選手は数えきれない。ツアーからは撤退するものの、チーム孔明としてはできる限りは続けたいと話す。
「もう若い頃のようにガツガツときついトレーニングを一緒にやったりすることはできないけれど、それでも慕ってくれる若い選手がいる限りは続けたいと思っています。何かを教えるというわけではなく、自分が経験してきたことを伝えているだけ。でも、少しでも上手くなりたいという気持ちを持っている若い選手に何かを伝えることができればと思っているので、少しでも長くやりたい気持ちはあります」。
小田の姿をツアーで見られなくなる寂しさはあるが、少しの休養を経て切れ味鋭いショットを再び見せてくれるに違いない。
シニアという新しい舞台に向けて、新たなスタートを切る小田に感謝とともにエールを贈りたい。














