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三井住友VISA太平洋マスターズ 2015

石川遼は9年連続の御殿場

どんなに遠くまで旅に出ても毎年、必ず御殿場には帰ってくる。先々週の米ツアーは、マレーシアの会場から舞い戻った。アマチュア時代(2007年)から数えて、今年で9年連続の出場は、2010年と2012年大会を制して、まさに“我が庭”。「ジュニア時代から、ずっと憧れていた大好きなこのコースは、日本に帰ってきたなというよりも、“御殿場”に帰ってきたな、という感覚です」と、初出場の当時と比べてすっかり精悍な顔つきにもここに来ると、自然と柔らかな笑みが浮かぶ。

「毎年、一度はここでプレーしたいな、と思う。2回の優勝は2回とも、楽しいなあという気持ちでだけ勝っちゃったようなもの」と、笑う。
思い入れの強いコースで昨年大会に引き続いて、今年も2年連続で、いっそう心が弾む。予選ラウンドで再び直接対決を果たすのは、バッバ・ワトソン。2012年と2014年のマスターズチャンピオンとは、主戦場の米ツアーでは「初日から、僕と同じ組に組まれることはまず、ないので」。

日本では、スター選手の石川も、苦戦が続いているアメリカでは「バッバと一緒に回ろうと思えば、週末に上位にいるしかない」。
そう思えば、なおさら向こうで結果をとの気持ちが強くなる。「バッバと当たり前のように一緒の組で回れるような選手になりたい」と、ひそかに胸に誓いながら「今年もまた、予選ラウンドから一緒に回れるのは良い学びになる」。

残念ながら、飛距離では争う気にもなれない。「アイアンの番手も、参考にならない」と、そこは初めから諦めて「分けて考えている」。世界各地で百戦錬磨の石川でさえ、予測もつかないようなショットで攻めてくるバッバ。「ゲームの画面でしか見たことのないようなボールを打ってくる選手」。
そんな規格外のレフィティにも胸を張れることがあるとすれば、やはりここ御殿場との絶大な相性の良さ。プロ転向後からこれまで7度の出場で、トップ10を外したのは昨年の一度だけ。「今年も優勝を狙う」。3度目の勝利で凌駕する。

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