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日本オープンゴルフ選手権競技 2015

池田勇太は、連覇を狙う・・・・・・?!

優勝賞金4000万円は国内最高額の日本一決定戦で、史上6人目(8回目)の連覇達成なら、悲願の賞金王にも大いに可能性が出てくる。
「それは、僕が一番分かっています」と、苦笑いで臨んだ開幕目前の記者会見で、池田は目の前に置いてあった賞金ランキング表に目を凝らした。

「でも、ここで勝ってもまだ俺は、1億円にも届かないんだよね」とつぶやいて、「キョンテとは、6000万円ほどか・・・」と、頭の中で、ざっとそろばんを弾いて「もう2個は、勝たないとね」。

次週には、契約先ブリヂストンの大会も控えて、池田にとっては、「メジャーが2戦、続くようなもの。大変なんですよね」と、また苦笑した。
もちろん、今大会の連覇のほかにも、池田には実現させたい野望がいくつかあって、「2週連続優勝っていうのも、俺はまだやったことがないからそれもしてみたいし、考えることも、望むことも一杯あって。なんとか引き寄せられればいいな、とは思ってる」。

それなのに、開幕を翌日に控えて、なぜかいつもみたいに心が燃えていかないのは、ここ数試合の戦況にもよる。「勝ちたいのに、勝ちきれない。チャンスが掴めそうでめないのが続いて、調子は良いのに、くたびれてしまった」。

4週連続のトップ10入りに、体力的にもそうだが、精神的にも参ってしまって、なんともモチベーションが上がっていかない。
「技術もそうだが、運がないのか、神様がまだお前は早いよって言ってるのか。勝てる時は勝てるし、勝てないときは勝てない。そういうこと」と、今の選手会長の心境は、まるで禅問答のよう。

昨年大会は、エースキャディの福田央さんがぽつりと言った「俺、日本オープンで勝ちたい」との言葉をタイトル獲りの支えにしたものだが、なぜか今年の福田さんは静かで「何にも言わないんだよねえ・・・」。

おそらく、池田と同様に、連覇や賞金王や、2週連続Vへの思いは福田さんにもあるはずだが、これまた同様に「あまり、そういう気持ちを出さずにいつもどおりにやってみる、というのもいいんじゃないかな?」。互いに口には出さずとも、なんとなくそんな気持ちで一致している感じがするのは、やはりコンビ7年目の絆。

「俺らが意識してなくたって、周りはそう言うわけだし、期待もされるわけだし。今からそんなことを考えて、アップアップするよりも、最終日最終組で回れば勝手に気合いは入るわけだし、アドレナリンも出てくるわけだし、自然体でね」と、今から余分なプレッシャーは、まだ無用だ。
今年のコースセッティングは例年の今大会と比べても、比較的好スコアが出そうとの予想があちらこちらで聞かれるが、「それでもどこかで耐えるということは絶対に必要になると思うし」。まずは初日は様子見だ。
「最初の3ホールくらいは、アダムのギャラリーをして、1番のパー5でどれくらい飛ぶのかを見て、ほぉ〜とね」。予選2日間は、アダム・スコットとのラウンドも、選手会長に気負いはない。

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