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小田孔明は「ツアー選手権でリベンジです」

悲願の日本タイトルは、またしても孔明の手からこぼれ落ちた。一度は、憧れの先輩の隙をついたはずだった。10歳上の手嶋多一は同郷の福岡県田川市でジュニア時代から怪童と呼ばれ、その強さに影響をうけて、自分もゴルフの道に入った。

難コースも偉大な先輩も、無類のパワーでねじ伏せる気満々で、最終ラウンドを折り返した。10番から3連続バーディで、逆転首位獲りに成功した。

「それまでは、最高のゴルフが出来ていた」。しかし14番から一気に貯金を吐き出す。14番はバンカーを出てすぐのラフに、右足だけバンカーに突っ込むアプローチが寄せきれない。
さらに15番はバンカー目玉。16番では1メートルもないパーパットを逃して首をかしげた。3連続ボギーで結局、振り出しに。

一度は勝ちパターンに持ち込みながら、「それでも勝てないのは自分の責任」。もつれにもつれたまま迎えた終盤は、17番で4メートルのバーディチャンスを逃し、1打差で迎えた18番では、ティショットを左のラフに打ち込み2打でグリーンが狙えない。いつも強気な孔明が、思わず声に出して「ダメだ・・・もうダメだ」と、何度も気弱に繰り返した。
ロープの外に鈴なりの大ギャラリーに、「大丈夫!」「行けるよ」と励まされても、もはや自信と気力は戻らなかった。
「意識をしてしまっているんでしょうね、メジャーですから」。仕方なく刻んで3打目勝負もグリーンのカラーから打ったバーディトライはテークバックが芝につっかえ、「止めれば良かったんですけど」と、後悔しても遅かった。最後のパー5でついにパーに終わって思わず左手で顔を覆った。

「語ることはない。今日はそういう日」と消沈の孔明。「自滅でしたし。自分がちゃんとゴルフをすれば逃げ切れていた。メジャーのタイトルにはまだまだ早いということ」。
前日土曜日の誕生日を自ら祝えなかった。手嶋の長男の泰斗くんの頭を笑顔で、くしゃくしゃと撫でながら、「次はツアー選手権でリベンジです」。それでもめげずに、2試合続く2週後の日本タイトルに照準を切り替えた。

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