Tournament article

フジサンケイクラシック 2014

丸山大輔が人生初の・・・!!

待ちわびた瞬間は、思い出のコースでやってきた。2005年大会の覇者は、13番パー3で快挙を達成したというのに、記念撮影でも真っ赤な顔をして「恥ずかしい・・・」。

というのもプロ20年目にして、ホールインワンはこれが人生初だ。
「本当に、こんなに毎日ゴルフやってるのに、なんで今までなかったのか」と、大会前日のプロアマ戦でもパー3に来るたびに、お客さんに「で、プロは何回目?」。聞かれるたびに、うつむき加減で答える。「実はまだ・・・」。あんな屈辱とは、もうこれでさよならだ。
「これからは堂々と言える。1回です、と」。
思い返しても完璧なティショットだった。しかしまさか、入ったとは思わず、同じ組の高山と今野に「入ったんじゃない?」と言われても、にわかには信じがたくて、「ギャラリーの反応も、薄かったので」。

グリーンまで来てみて、やっと実感と嬉しさがこみあげてきた。主催者からご褒美の10万円以上に、価値のある1打は一気にスコアも2つも縮めて、首位タイにつけた。

今季は、1月に誤って右足小指の付け根を骨折して、しばらくは車椅子の生活を余儀なくされて、歩けない間に落ちてしまった筋肉はどんなに鍛え治しても、今だに「左側よりも右側の太股のほうがまだ細くて」。
なかなか本調子とはいかないままに、今年8月には昨年のブリヂストンオープンでツアー通算3勝目をあげた特典で、世界ゴルフ選手権「ブリヂストン招待」にも挑戦。会場のファイアストーンは「どんなに良い当たりをしても、毎ホールで4番アイアン前後の距離が残る」と悲鳴を上げながらも、戦い抜いた43歳。

今年42回目を迎えた今大会が、ここ富士桜に会場を移した最初の年の“初代チャンピオン”が丸山だ。「あれからもう10年もたったんですね」と10年目は“節目の年”の初日に早速、大きな花火を打ち上げて、期待が高まる。
「このコースは良いショットを打てば、報われるし、ここに打っていかないと、というのが明確で、問題と答えがはっきりしているから好き」と、相性の良いコースで大会2勝目を狙っていく。

関連記事