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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2014

因縁の対決! 竹谷と張が首位キープ

チャレンジトーナメントで深まった友情がレギュラーツアーの大舞台で熟成されて、ついに激突する!
竹谷佳孝によると、3日目にして最終日最終組で回った張棟佳(ジャンドンキュ)とは「腐れ縁」。張が初来日した2011年には、最終予選会のファイナルQTでも同じ組で回り、昨年まで2人が主戦場にしていたチャレンジトーナメントでも一緒に回る機会も多くて、折々に「何かと彼がいる」(竹谷)。

張は、竹谷より8つも下だが初めて出会ったときから「上手い選手だなと思っていた」。それと、何事にも動じない精神力。「僕が一杯一杯のときでも、彼は平気でやっている気がして。尊敬している。いつも、彼についていってやろうと思っていた」。

昨年、竹谷は2位。張はランク5位の資格で互いに前半戦の出場権を得た今季。ツアープレーヤーNO.1決定戦という、大舞台で再び相まみえることになった。2人にとってはチャレンジ時代を彷彿とさせる週末になった。

「年々、チャレンジの大会が増えて、スポンサーの方々には貴重なチャンスをいただいて戦ううちに、ドキドキと上手くつきあえるようになった」と竹谷。昨年、初優勝を飾った“最終戦”の「JGTO Novil FINAL」。あのときも、極度の緊張の中で勝利をもぎとった経験が、確かに生きていると感じられる。
3日目にして、レギュラーツアーで自身初の最終組に「とにかく、緊張しました。ドキドキは、1日中続きました。でもこうして素晴らしい経験をさせていただく中で、自分が出来ることだけをやろうと。悪いイメージが浮かんでも、冷静にやれている自分。成長するとはこういうことか、と」。

プレッシャーの中でも、得意のパットは相変わらず冴え渡った。7番では「8歩」のバーディトライを沈め、12番では7メートルのフックラインをねじ込んだ。15番では4番アイアンで打った2打目が「ヒール目に当たる大ミス」。林の中の深いラフから低い球で出すしかなく、残した1メートルのパーパットも手堅く決めて、張にも遅れを取らずに3日目を終えた。

会社勤めの慶子夫人は「女は男の職場に行くものじゃない」との厳格なお母さんの教えを守って週末にもかかわらず、この日も応援には来なかった。前日は、職場の同僚に旦那さんの結果をすでに知らされていたそうだが、「僕が報告するまで、自分から電話をしてきたりするような嫁でもなくて」。改めて、電話で首位につけたことを知らせても、「“凄いじゃん、良かったね”のあとはすぐに子どもの話になりました」と笑う。

ゴルフには興味がないというのも手伝って、「明日も来るかどうか」。しかも、「来てもらって、見せられるゴルフができるかどうか、良い結果になるかどうか。僕にも自信がないので」と、家族を呼び寄せるかどうか逡巡する夫。
リーダーの妻は最終日の宍戸に現れるか。妻の前で、会心のゴルフが披露できるか。

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