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ブリヂストンオープン 2014

矢野東が単独首位発進

初日の袖ヶ浦は雨。ときおり強い風も吹きつける難条件で、ボギーなしの65は、上がりホールで圧巻の4連続バーディにはなおさら「最高じゃないですか?」と、自画自賛も当然だ。まして、17番と18番では立て続けにチップイン。特に17番のパー4は、パーオンを逃した時点で、ボギーも覚悟したから左から、30ヤードをサンドウェッジでねじ込めば、18番は奥のエッジからパターで沈めた分も含めて「オマケが2つもついてきて。ラッキーでしたね」。

2008年大会のチャンピオン。またその年は片山晋呉と賞金レースを争い、自己最高の2位につけた男が今季はまだ、シード権の確保にさえ手間取り、まだ500万円余で賞金ランキングは90位にとどまっている。

「しょうがない。技術不足。下手なだけ。もう今年は諦めた」と、開き直ったのが3週前。
トップ杯東海クラシックで「180ヤードのフェアウェイから引っかけて、グリーンを外した。アマチュアみたい。これじゃもう先がない」。
あまりの自分の不甲斐なさに、「シードどうこうよりも、その先を見ようと、これまでの自分を全部、見直すことにした」と、崖っぷちの真っ只中にもかかわらず、なんとスイング改造に踏み切ったというのだ。

「今までよりも、インパクトゾーンを30センチくらい左側にずらすのをやっている」とは、つまり本人の身振り手振りの解説によると、今までのように、インパクトで手首を返さず、また左寄りでボールを捉えることでフォロースルーを長く取るようにして、方向性をより安定させようという狙いがあるようだ。

ヘルニアの持病を抱えて、再発に怯えながらも「相当、打っていますよ」と、練習してもし足りない。「時間が足りない」と、懸命に打ち込んだ成果が早速出た。
「いやいや自分では、こんなに早く結果が出るとは思っていない」と、発展途上の段階で1日6アンダーが出れば「たまたまですよ」と本人は、まだ半信半疑で「明日も予選落ちとか気にせずやります」。
37歳の今も、根強いファンを引き連れて歩く元祖イケメンプロが、なりふり構わぬゴルフで再起を目指す。


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