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アジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップゴルフ 2014

小林正則が今季初の・・・!!

最後の18番は、手前から3メートルのバーディ締めに、ほっと安堵の笑みがこぼれた。「長かった・・・」と、思わず吐いた胸のうち。

昨年の日本オープン覇者が日本ツアーでも、2011年には「アジアパシフィック パナソニックオープン」で出場資格を得たアジアンツアーでも、いずれもこれが今季初の予選突破だ。
日本ツアーは7試合目にさしかかった辺りから、「出場試合を数えるのをやめてしまった。このまま数え続けていたら、イップスにでもかかってしまいそうで」。

だからこれが、実に何試合目の決勝ラウンド進出か本人は把握していないそうだが、11試合目です。

トンネルから脱するきっかけは、先週のANAオープンだった。2日目は今季自己ベストの66を出してもやっぱり予選落ちを喫したが、それでも大きなきっかけを掴んだ。

その週、バッグを担いでくれた恩人の存在が大きい。「アニキ」と慕う先輩プロは「いつも僕を前向きにさせてくれる人」。スイングに関しても、的確なアドバイスをしてくれた。「振りが緩くなっている。思い切りも全然ない」と言われて思い当たる節があった。
昨年の日本オープンは「僕の人生のベストゲーム」と、そのときのゴルフの感触を、引きずりすぎていたかもしれない。
「あのときの再現と考えすぎて、あの感触を追いかけすぎていたかもしれない」と、考えなおして「あれはあれだ、と。ゴルフはそのときの体調や天気にも左右されるのだから。前の感覚にこだわりすぎてはいけない」と気付いて吹っ切れた。

11月19日に出産を控えた麻理子夫人もやっとひと安心させられた。今週は大きなお腹で、久しぶりについて歩いてくれた大会で、ついに予選の壁を破った。
「彼女は全然、気にしていないんだけど。むしろ“早く家に帰って来れていいじゃん”と言うくらいで」とあっけらかんと、そんな妻の気丈さにも支えられ、3打差の9位タイから、優勝も狙える位置に。

昨年の日本オープンを含めて過去3勝とも、突如V争いに加わり、ひょっこりと勝った。ようやく、今季初の予選通過を果たしていながら言うのもあれだが「予選通過をするために、ゴルフをしているわけではないんでね」と、しれっと「これだけ溜めときゃ、逆に話題になるでしょ」。本人も勝つ気満々で臨む久しぶりの週末だ。

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