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東建ホームメイトカップ 2014

地元出身の辻村暢大 (つじむらのぶひろ)がV争い

大会の地元三重県は津市の出身。所属コースの富士OGM伊勢大鷲コースも冬場は、この日と変わらぬ強風が吹く。「風のゴルフは慣れているので」。コツは「サイドスピンをかけないように打つこと」。この日はただその一点を心がけて、追い風に乗った。

難条件の中で4つのバーディもさることながら、3番、7番と8番では2メートルのパーセーブも決まって、「自分でも、この位置にいるのがびっくりなくらい。地元で良いゴルフができて上出来ですね」と、微笑む。

地元の練習場で、食べ放題のアイスクリームと肉まんを目当てに15歳で、クラブを握った。久居(ひさい)高校の2級下には金メダリストの吉田沙保里さん。プロゴルファーなら上井邦裕。偉大な後輩たちを横目に、手首のケガにもたたられなかなか出場権も恵まれないままに、今年プロ10年目を迎えた。

ファイナルQTランクは10位の資格で、本格参戦は昨年に続く2年目にして「こんな位置で最終日を迎えるのは初めて」と、目を剥く。しかも「最終日にアウトコースからスタートしたことがない」と今年は開幕早々に、裏街道を脱してこのまま上昇気流に乗れるか。
「明日は、ドキドキすると思うが一生懸命にやって、どうなるか」。地元ファンの前で、苦節10年の意地を見せたい。

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