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Thailand Open 2013

小田孔明が単独首位に

はるばる日本から来た九州男児は、どんなピンチも微動だにしない。むしろ、借りは絶対に取り返す。ワンアジアとジャパンゴルフツアーとの初の共同主管で開幕した「タイランドオープン」は、記念すべき大会初日に小田が単独首位に躍り出た。

前半のアウトコースは怒濤の6連続バーディで、アジア勢の度肝を抜いた。
2番は302ヤードのパー4で見事ワンオン。楽々バーディで勢い付いた。

あと残りの5連続バーディは、「暑くて思い出せない」ととぼけたが、悔しい思いをしたホールは覚えている。

連続記録が途絶えた8番は「3パット。それだけは、忘れない」。ボギーを打って「これで今日は終わった」とは口ばかりで、後半もすぐに息を吹き返した。折り返して10番から連続バーディを奪うと、11番ではなんと13メートルのバーディトライもねじ込んだ。

独特の芝目は、小田が回った午後からの組はスパイクマークでなおさら難解なグリーンに、「それはもう、仕方ないから、キャディが言ったとおりに、しっかり打って行こうと」。

15番では、3打目がもじゃもじゃのラフに埋もれてダブルボギーを打ったが、最後もしっかり取り返す。
上がりの連続バーディは、いずれも6メートルのチャンスをこれまた強気でねじ込んで、獲りも獲ったり11バーディ(8アンダー)で、単独首位に躍り出た。

この日のスコアと同じくタイに入国した当初から、小田の周りはにぎやかだった。
海外の大会で、ハプニングはつきものだが小田がアクシデントに見舞われたのは、大会は開幕目前の12日の火曜日だ。コースからホテルまでの帰り道。大会が用意したシャトルバスで帰る手もあったが時間が合わず、自分でタクシーを呼んだのは良かったが、やってきた車を見た瞬間に、嫌な予感はあったのだ。

「おんぼろで、しかもエアコンがんがんで、高速ではマン飛ばし」。
異変は一般道に降りた瞬間に起きた。ボンっという激しい音とともに、ボンネットからもくもくと激しい煙が・・・!!

「車が燃えた・・・!」。

あまりの事態に、客のこちらは目がテンになっているのだが、運転手はにやにやと笑っている。
きっとこちらでは、よくあることなのだろう。すぐに冷静にかえった小田は、「とっとと別のタクシーに乗り換えよう」と、まず真っ先にトランクから“救出”したのは新しいキャディバッグだ。

今季、新規契約を結んだ本間のクラブ。やはり契約プロの上平栄道に感化されて踏み切った。「クラブを変えるというのはプロなら誰でも不安なもの」。それを払拭するために、このオフは特に打ち込みに時間を割いて、自信を持ってやってきた。

入念な準備も、「このクラブで俺はやるんだ」との覚悟もあるから、何が起きても微動だにしない。また「海外では予想もしないことが起きて当たり前」という心づもりもあるから車の事故にしても、厄介事に巻き込まれたと愚痴を言うよりむしろ、「あれが高速の上でなくて良かった」と、良い方にとらえてすぐに笑い話にしてしまうしたたかさ。
海外で戦う上で、まず問われるのが適応力。どんな不測の事態もデンと構えて受け流す強さ。
小田の心の強さを如実に示した、初日の好発進だった。

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