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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2013

袖ヶ浦の所属プロ! 井上信が執念の4位タイ浮上【インタビュー動画】

2日目は2オーバーの56位タイから出た井上には、使命があった。「ホームコースで予選落ちだけは、絶対に避けたい」。ここ袖ヶ浦カンツリー倶楽部所属。使用グリーンは大会と違うが、「60」を出したこともある。「研修生時代から数えると、15年以上も前から回っている」。

試合はデビュー戦となった98年大会から11回目の出場に、今さらツアーのセッティングに戸惑うほどウブでもない。それでも初日は一時は4オーバーまで打ったのは、強い風と雨に距離感が狂ったのと、「予選は通らないととか、上位で回らないととか、余計なリキみもあったりして」。

しかし、そんな初日の出遅れも一掃する65。この日はさしたるピンチもなく、出だしから連続バーディで波に乗ると、一気に巻き返してきた。

2011年にシード落ちを喫して、昨年のチャレンジトーナメントの賞金ランク7位の資格で復活を期した今季。6月のミズノオープンで3位に入り、この一発でシード復帰にもどうにか目処をつけたばかりか、全英オープンで初メジャーを踏んだ。

しかし、初めてのリンクスコースは、「手も足も出なかった」と、すごすごと帰国をした。「日本ではああいう状況はちょっとない」と、未体験の舞台に「自分が下手すぎて・・・。ゴルフの引き出しがなさすぎた」と、初日に83を打った時点で、絶望的な気持ちになった。
おまけに負の土産も持ち帰った。「下は硬いし、力も入ったし、緊張もした」と、三重苦に腰を痛めて帰ってきた。9月には、グリーンでボールマークも拾えないほどの症状に、成績も「予選通過もビリのほうばっかり」と、鳴かず飛ばずだが本人は気にしていない。

「自分は一発屋だと思っているので」とは確かに。2004年のABCチャンピオンシップで、マンデートーナメントから勝ち上がってツアー初優勝を飾ると、その4年後のキヤノンオープンは、その前週までシード権の確保に奔走していたと思ったら、いきなり最終日に6打差の大逆転Vで驚かせた。

「僕はいつもはうまくはいかないけれど、行けるときには一発で行っとく選手なので」と、その自覚も十分に、この日は18番でバーディトライを打つ直前に、遠慮のない大きなクシャミに仕切り直して苦笑いだ。「あんまりに凄かったので。僕の知り合いか、と」。会う人会う人、みな顔見知り。今週こそ慣れ親しんだ庭で一発当てるには、大チャンス。
「そう思ってやりたい」と、自分にハッパをかけた。


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