日本オープンゴルフ選手権競技 2013

河野祐輝(こうのゆうき)は「難しいほうが楽しい」

当ホームページでは上位で活躍するたびに、「こうの」とふりがなをふってきたが、そろそろ必要ないかもしれない。今季は、自身初の最終日最終組を経験した日本プロ(8位タイ)を皮切りに、幾度もリーダーボードに名前を連ねて、以前は「かわの」と間違われることも多かったが、近頃は「こうの、頑張れ!」と、正しい読み方で応援してくれる人が増えた。

声援にも後押しされて、初出場を果たしたこのゴルファー日本一決定戦は、ダブルボギーの出だしも、硬くなったとか、緊張したとかではなく、むしろその逆。
「体調が凄く良くて」。勇んで出ていったのが、かえって仇となった。「体調が良いもんだから、練習場ではアバウトに打っても当たってくれる」と、ボールの位置も曖昧なままにコースに出たら、難コースは容赦してくれなかった。

1番は、507ヤードと距離の長いパー4で、ティショットを思い切り左に曲げた。2打目は出すしかなく、175ヤードの3打目も手前のバンカー。脱出しただけの5打目をどうにか寄せて「ナイスダボ」でも、3番でまたボギーを打って、最初の3ホールでいきなり3オーバーも叩けば、考え直さざるをえなかった。

「いつもより、ボールが左寄りすぎるのでは」と気がついた。すぐに「ボール1個半分くらい。内側に置き直した」。それが本来のベストポジション。基本に立ち返ったら、そこから一気に6バーディ。出遅れもあっという間に取り返したばかりか、さらに飛び出した分だけ引っ込めて上がってきた。

あまりスコアが伸びないような、難しいコースのほうが好きだ。
「難しいほうが、工夫をしていろいろ考えて回るでしょう? それが僕には楽しいんです。苦しいからこそ、楽しんでやろうと思う。それが僕の強みです」と、生き生きと笑う。

今季はすでに獲得賞金は2500万円を越えて、初シードも決まったも同然だが、満足しない。「もう1500万円は加えたい。最終戦に出たいんです」。目下、目標をゴルフ日本シリーズJTカップの出場に置き換えて、25歳は日本一の舞台でさらなる躍進を目指す。

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