日本オープンゴルフ選手権競技 2013

小田孔明は「死ぬ気で勝ちに行く」【インタビュー動画】

勝ちたい。そう思うたびにこみ上げてくる。「勝ちたい」と、口にすればなおさら我慢出来ない。「ほんとうに勝ってから、泣きたいんですが」と、大男が照れた。「一番勝ちたい試合。それが日本オープンなんで」と言うと、また涙声になった。

忘れられないのが、2007年。相模原で行われた72回大会は、「まだあの頃は若かった」。その年、シード元年はまだもちろん勝ち星もなく、最終日を単独首位で出ながら最終日に80を打って、8位に沈んだ。
「あのときのリベンジをしたいんです」。
この日の3日目は奇しくもちょうど6年前のあのとき、最終日最終組で回った片山晋呉と2サムの直接対決に、意識して片山のプレーを見ないようにした。

「シンゴさんのスイングは一切、見ないで自分のことばかり考えてプレーをしました」。
前日2日目に、あおって安定感を欠いたティショット。「今日は、全部パンチショットで行きました」と、持ち味を駆使して6つのバーディを積み上げてきた。

今年9月のANAオープンを含む6勝ともすべて逃げ切りVの男は、今回こそ勝ちパターンに持ち込むべく、3日目から燃えた。1番は、いきなり507ヤードのパー4で、「出だしのバーディが大きかった」。2打目を4番アイアンで1㍍につけて、「このコースは1、2、3番をパーで切り抜けられたら、あとはどうにかなる」と、言ったとおりにしっかりと、芯でヒットする強気のパットも、「怖いけど、獲れるときに獲っとかないと。こんなチャンスは簡単に巡ってこない」。

15番で、5㍍のバーディパットをねじ込み、いつも淡々とした選手が珍しく、力強く拳を握った。「自分に気合いを入れるためにも、1回くらいはしとこうかな、と」。わざとおどけてはぐらかしたが、それこそが大会に賭ける熱い思いのあらわれだった。
「勝ちたい」と、言うたびにこみ上げてくる涙。「そう簡単には勝たしてもらえないのがこの大会」。それだからこそ、なおさら恋い焦がれる。「明日は、死ぬ気で勝ちに行きます」。涙声でV宣言した。


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