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ANAオープンゴルフトーナメント 2013

片山晋呉は北海道で「10倍返しだ!」【インタビュー動画】

9番のパー5でイーグルを決めてガッツポーズだ。残り253ヤードからスプーンで右4メートルの2オンに成功した。「ショットもパットも。いつ来てもおかしくない状態にある」。輪厚との相性も悪くない。しかし、ツアー通算26勝の輝かしい成績の中にあっても、ここ北海道での優勝が一度もない。

「何ででしょう・・・。分からない。惜しいのは今までにも一杯あるのにね」。男子ツアーの七不思議のひとつである。そろそろここらでひとつ、ジンクスを打ち破る「10倍返しだ!」。いま流行の決めセリフで満面の笑みは、心技体ともに、いま非常に良い状態であることを示している。

確かに、勝ち星は5年前の三井住友VISA太平洋マスターズで止まったままだが、過去5度の賞金王は、すでに気持ちの上では復活をとげているといってもいい。
「僕は今まで『勝てる』と自分の中で思えない限り、勝てないことのほうが多かったけど、完全に自分はいまその状態まで
来ている」。
つまり、「勝てる」との確信が、片山の中にはある。

現状を詰め将棋に例えて、「駒も揃ってきたし、さしている自分も良い状態になっている」。材料は揃っている。先々週のフジサンケイクラシックも、1打差の4位。そのほか今季はすでに、4度のトップ10入りも、「まだ勝ってないけれど、自分の中できちんと準備が揃って、何十回もこういうのをやって、いつも良いところでプレーをして。それを繰り返していけてる自分が好き」。
報道陣を前に、ジョークも交えて、饒舌に語れる今の自分が好き。
「勝ったから復活、ではないので」。自分を肯定的に、受け入れられる。勝つための準備がすべて揃った状態で、満足してゴルフができる。それこそが、片山にとっての復活なのである。

あとは、結果を待つだけだ。
もっとも、ゴルフは絶好調だが、私生活ではいまひとつ。
先月は、福岡市内で財布を置き忘れて先週はラウンド中に、友人が林から打ったボールが左腕に直撃した。地元の茨城ゴルフ倶楽部はかつて、キリンオープンで連覇を達成したコースでもあり、今年は日本オープンの会場でもあり、「狙っている」と、今年はすでに4度目の下見で遭った不慮の事故。

「顔めがけて飛んできて。やばいと思ってかばったら、ここにバチ〜んて。痛かった。今も痛くて冷えピタしてる。顔に当たっていたら、今以上に腫れていた」と、ニヤリとここでもまた自虐ギャグで笑わせると、「悪いことは、これでもう全部出たから」。あとは27番目の勝ち星を、待つだけといわんばかりだ。

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