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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙 2012

横田真一は研究結果を生かして2位

医学部の研究生が、分析結果を生かして好スタートを切った。今週は、バーディ戦の予兆も逃さず、前半は6番から折り返しの10番まで5連続バーディを奪った。1日8アンダーに、「コースの設計がいい」と、会場の三重県は涼仙ゴルフ倶楽部に惚れ込んだ。
「右ドッグレッグのホールでグリーンの右奥から下っていたり、ゴルフが好きな人が作ったコースという印象。イメージが出る。好きですね」と、相性の良さをさっそく証明してみせた。

ホールアウト後に取材に答える様子は、講義さながら。昨年4月から、東京の順天堂大学に通い、学問にいそしむ。

本人は「セカンドライフを考えて」と、笑うが研究課題は本格的だ。人間の体の動かし方には4つのタイプがあるとされる「フォースタンス理論」と「スポーツ選手と自律神経の関係」。この2つについて、会場でも熱心にデータを収集してレポート提出にいそしむ。「二足のわらじ生活」を送っている。

そんな中で、新たな発見があったのはこの夏。交感神経と、副交感神経で構成される自律神経。どちらが優位になるかでゴルフの成績にも影響を与えると考える横田は、その数値を図る器具を会場に持ち込み毎日、データを取る。

「晩飯を食い過ぎた次の朝は副交感の数値が悪く、その日のスコアも悪い」と、突き止めた。
特に夏場は「帰って空きっ腹にビール。シメはラーメンにアイスクリーム」と、暴飲暴食が続き、内臓機能も衰える。
いよいよ40の声を聞いた今季は、なおさらそれを痛感していた。
もともと「秋にならないと、スイッチが入らないタイプ」というのんびり型。
だが夏場に「地方の美味しい店を、制覇するのが転戦の楽しみ」とばかりに不摂生を続ければ、秋以降の試合も危ない。

近頃は「食べても腹9.5分」にとどめてそれでも昨晩のように、誘惑に負けてしまった日には朝4時起きでトレーニングに汗を流して、体調改善につとめてきた。
「自律神経で、スコアは決まる」という究極の研究テーマを実証するにも、この上ない好発進。「8アンダーは最高のスタートですね」。このままツアー通算3勝目となれば、来年1月に控える大学院の受験にもハクがつく。横田研究生が、一世一代の実験に挑む。

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