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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙 2012

佐藤祐樹が自己ベストの63

今年、本格参戦したばかりの31歳も、やっと雰囲気に慣れてきた。この日は午後スタート時点ですでに首位タイが8アンダーというハイスコアの戦いにも「このコースはどちらかというと僕向き」と、萎縮することもなく、9番で奥から3メートルのイーグルを奪うなど、さらに上を行く9アンダーは63。

プロフィールの「得意クラブ」の欄にも書いた。パターは、普段はマレット型を愛用しているが「ときどきかっこつけて、ピン型を使いたくなる。マレットだと、パットが下手だとみられるような気がして」。

ちょっぴり見栄で、先月も約ひと月ほど持ち替えた。
「マレットだとミスしても、許容範囲が広くてだんだんぼけちゃう感覚があるけれど。たまにピンを使うと感覚が鋭くなる。ミスヒットしたときが良く分かる」と、たまの“浮気”が吉と出た。

再びマレット型に戻したら、得意分野がいっそう武器に。
「今日はパットのおかげでリズムに乗れた」とツアーはもちろん、ゴルフを始めた小5のころまでさかのぼっても、自己ベストスコアで単独首位に躍り出た。

地元・熊本県の名門“坂田塾”出身。九州東海大学時代は4年生の九州学生で連覇を達成し、2004年のプロ転向後は出場優先順位を決めるQTも昨年ようやくランク32位につけて、ようやくツアー切符を手に入れた。

3月のツアー外競技「宮崎オープン」を制してほのかな自信とともに迎えた今季。初戦となったつるやオープンで初日に8位タイ。好スタートを切ったのは良かったが、3日目はちょうど前の組に石川遼がいた。

今まで経験したことのないような大勢のギャラリーが、常に目の端で動く。
たまに後ろの組の佐藤のプレーも、立ち止まってじっと見ている。
「今までになかったこと」。
緊張で「凡ミス」が続いた。
トラウマになり、その後もなんでもないアプローチをミスしたりするようになったがシーズンも半ばに突入して「最近はやっと、見られることも気にならなくなった」。
むしろギャラリーに見られることも「嬉しいのは嬉しい」と、この日は最後の18番パー5でも、奥のカラーから2パットのバーディ締めに、拍手と賞賛で迎えられて、頬も緩んだ。

今月18日に、30歳の誕生日を控えるのは、昨年2月に結婚した朱加(あやか)さん。ただいま身重の夫人は10月3日の予定日に、「頑張って稼がないといけないし、来年の仕事場を確保しないといけない」。
父親の自覚も満々に「このまま上昇気流に乗って行きたい」。引き続きこのバーディ戦を引っ張っていく。

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