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ベストアマチュアの「中部銀次郎賞」は、韓国の田宰翰 (ジョンジェハン)さん

惜しくもセカンドアマに終わった高校1年生の鍋谷くん(右)はチャンピオンの武藤におねだりして優勝カップを持たせてもらって、いずれは僕も・・・!!
大阪学芸高1年生の鍋谷太一くんは、今は亡きゴルフ界の至宝の名を冠した賞の獲得まであと一歩だった。今年は3選手による、熾烈なベストアマチュア賞争い。

この日最終日は“トップ”を走っていた田宰翰 (ジョン ジェハン)さんに、鍋谷くんも一度は追いついた。通算4アンダーで並んでいたが、世界を股にかけるトップアマには結局、3打及ばなかった。

「惜しかったですけれど。プレー中は人との差は気にせず。1打1打、自分のことに徹しようと思った。力は出し切ったと思います」と16歳は、負けて晴れやかな笑顔を見せた。

最終予選会を突破して、初めて出たプロの試合。ティーチングプロでお父さんの忠治さんの運転で、ギャラリーは入れないゲートを毎日くぐる・・・。そんなことさえ嬉しくてたまらない。「少しだけプロの世界に近づけたかな。仲間入りが出来たような気がしました」と、無邪気な声も弾む。

本戦でも大健闘だった。2日目は65をマークして、予選を突破。そしてこの日は最終18番で、あわやチップインイーグルのバーディ締めに「最高でした」。明日への大きな糧となる4日間。来週にはツアー出場優先順位をかげた予選会「クオリファイングトーナメント」に挑戦する。早くもプロの舞台を目指して始動する。
「ショットもパットも、まだまだ足りないところはいっぱい。もっと練習しないと!」と、気合いを入れ直していた。

そして田(ジョン)さんは、鍋谷くんと、大阪学院大学1年生の長谷川祥平さんとのデッドヒートを制した。大会最上位につけたアマチュアに贈られる、栄光の「中部銀次郎杯」を手にした。
前半は3つのボギーで2人のライバルに一度は並ばれたが、後半の9ホールは6つのバーディであっさりと振り切った。大会成績も13位タイの大健闘にも「5月以降、久しぶりのトーナメントでけっしてベストではない状態でこの結果は自信になる」との言にも大物ぶりが漂った。

5歳で母国韓国からマレーシアに渡り、9歳からゴルフを始めたという田(ジョン)さん。14歳で「マレーシアアマ」を制覇。高校時代は豪州で過ごしてから、アメリカのノースウェスト大学に進学。“オールアメリカン”にも選出された。先輩のルーク・ドナルドと同じティーチングプロに師事して腕を磨き、2010年の全英オープンに出場した経験もある(1打差で予選落ち)。

このほど大学を卒業して、ツアー出場権をかけた予選会は、日米の“W受験”。しなやかな筋肉を駆使して優に300ヤードは飛ばすという実力の持ち主が今度はトッププロとして、各国ツアーのリーダーボードを飾る日もそう遠くなさそうだ。

  • ベストアマチュア賞に輝いた田さんは、亡き中部銀次郎氏の妻・克子さん(左)から栄光の「中部銀次郎杯」を受けた
  • 「今回の予選通過で自信がついた」という長谷川さん(右)はサードアマチュア賞を獲得

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