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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2012

谷口徹は「筋書きのあるドラマを」

インスタートの初日には「最悪のスタートを切ったと思った」。大会2勝のここ袖ヶ浦は「経験上、毎日4つ以上はきっちりと出せないと優勝出来ない」。そのためにも、この日の前半は「最初の5ホールで2つは取っておきたい」。しかし、当てが外れて、再三チャンスを逃したばかりか、14番は「バンカーあごで、出すだけ」。

ボギー先行に「今週は終わったと思った」とは少々気が早すぎるが、連覇がかかる今年はそれほどの意気込みがある。

「ここで一発当てないと、レースに加われない」と言った。
「レースとはもちろん、ここで勝って賞金王争いに加わりたい、ということですよね」と念押しした報道陣に、にやりと笑って、逆質問。
「それは、僕にそうして欲しいということですか?」と嬉々として、「それなら、今年は筋書きのあるドラマにしましょうか」。

この日は出だしの躓きも、当初の予定を変更して持ち球のドローボールでコースを攻めたら「17番で良いパットが決まった」。右手前6メートルにつけたバーディを沈めてたちまち元気を取り戻した44歳は、インターバルを挟んで2番までに4連続バーディを奪ってたちまち息を吹き返してきた。

そのとき、4アンダーにつけていた同世代の“ライバル”も「ぴったり射程に捕らえた」と思っていたら、藤田は後半の5バーディで「あっという間に」2打差の首位に、「さすがに、うちのエースは手強いです」。

しかしそれだからこそ、やる気も倍増するというものだ。
賞金ランク1位を走る藤田を捕まえるためにも、「まず僕は1勝をして、差を詰めないと」と今週はまず“1話目”の筋書きを書いた。
お互い同メーカーの契約選手は、「ヤマハのワン、ツーレースにしたい」と言った谷口に、藤田がその点には苦笑交じりに待ったをかけた。「今週は空気を読まないと・・・」。
ゴルフメーカーのブリヂストンが社をあげて力を注ぐ大会で、自らの契約先の名を遠慮もなく挙げて豪語するのもまた谷口らしい。

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