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コカ・コーラ東海クラシック 2012

額賀辰徳(ぬかがたつのり)は「アドバンテージが生かしやすい」と4位タイに

先週、ツアー通算2勝目をあげたばかりの小林正則に言われたのは数年前だ。「ティショットを3番ウッドで打てないと、日本ツアーでは厳しい」。

2009年から2年連続のドライビング王には、しかし当時はそれほど心に響かなかった。
「スプーンでティショットを打つのは、自分の武器を捨てている気がしていて」。
むしろ抵抗感すらあったのだ。

だがあれからシード落ち(2010年)も経験して技術とともに、心の成長も格段にあがった今では「飛距離にはこだわっていない」。
それこそ、初出場の2009年から2年連続の予選落ちを喫した今大会で今年は3度目の挑戦にして、2日目を終えて首位と2打差のV争いに加わった最大の要因と言える。

この日は約半数のホールで刻んだが、「こだわらない」とはいっても、額賀の場合はスプーンでも280ヤード超を記録するから、むしろ「広いエリアに打てる場合も」。
飛ばし屋がそれほど有利とはされないここ三好でも、「僕は普通の人より短いクラブでラフから上げたり、乗せたり出来る場合もある。そこを長所として生かせたら、すべてが不利なことでもない」と言える自信が今はある。

「とにかく、いまショットの調子が良いので」。
絶好調の飛ばし屋は、難コースでも「アドバンテージが生かしやすい」と頷いた。

昨年のチャレンジトーナメントは賞金ランク1位の資格で、シード復活をにらむ今季。
現在賞金ランク82位は、まだ少し遠い道のりだが「僕がその程度の実力だから、今ここにいるだけのこと」と現実をがっしりと受け止めて、焦らない。

それは2年前にもう懲りた。
「シードを落としたときも焦ったが、何ひとつ良いことがなかった」と、あのときの反省を生かして「いま自分がやれることを精一杯にやって、結果がどうか」。
試練をひとつひとつ丁寧に乗り越えてきた28歳は、難コースにもジタバタしない。

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