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つるやオープンゴルフトーナメント 2011

18歳の黄重坤(ハンジュンゴン)が好発進

まだ日本語がうまくない黄のために、大先輩のS・K・ホが通訳をかってでた。はにかみながら答える。「今日はアイアンの方向性が、凄く良かったです」。
「・・・先週は、ビリだったのにね」とSK。
「そうなんです。どうにか予選通過はしましたけどビリでした」と、照れ笑いを浮かべて「でも今日は7番で、15メートルの長いフックラインが入ったり、パットも良かったです」。

昨年のファイナルQTは5位で、今季日本ツアーに初参戦の黄はまだ18歳。
母国では2009年のプロテストでトップ通過を果たしたが、そのあと思うようにいかずに「レベルアップを目指して」来日した。

「日本ツアーは凄く夢だったんだよね?」と、SK。
「はい、そうなんです。そこでいま、自分がプレーしているかと思うと、信じられない気持ちです」と、胸を抑える。
デビュー2戦目も、初々しさでいっぱいだ。

しかしそのプレーぶりは、貫禄たっぷり。
この日同じ組で回ったツアー1勝のベテランも舌を巻く。
「ハンくん、半端なく上手いよ。ショットも、パットも凄く良い」と、田島創志も嘆息した。「負けそうだよ」と、褒めちぎった。

ひとつ上の石川遼の存在は、黄にとっても大きな励みだ。「彼は日本のヒーローです。彼の凄さを間近で見て、勉強したい。遼くんみたいになりたいです」と、頬を紅潮させたところで、バッグを担ぐお父さんの名前を報道陣に尋ねられた黄。

ノートに書いてみせようとして、渡されたボールペンが宙に浮いた。首を振り、かたわらのお父さんに「書いて」と託してしまった。
「もしかして書けないの? 自分のお父さんの名前なのに?!」と驚愕したSK。
きれいな字で「黄炳元(ハンビョンウン)」と書き込むお父さんのかたわらで、顔を真っ赤に立ち尽くしていた黄は、SKにぶつ真似をされていっそう恥ずかしそうに首をすくめたのがご愛敬だった。

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