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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2011

藤田が、谷口が・・・!! 凍える寒さにも40代が発奮

24歳のドンファンを挟んで、気を吐いたのはアラフォー2人。昨年の今大会でも、激しいバトルを繰り広げた2人でもある。

この難条件で、2人揃ってボギーなしの4アンダーで上がってきた。まずは、ディフェンディングチャンピオン。

いつもショットに悩んでばかりいて、難しい顔で上がって来ることが多い選手が、珍しく穏やかな表情で言った。
「今日は天候が厳しい中で、ショットのほうも安定していたし、グリーンを外したときのパーセーブが全部出来た」とは、藤田寛之。

凍える寒さに「ボールが前に飛んで行かない」という状況の中で、グリーンの手前に外す場面こそ多かったが、その分得意のアプローチが面白いように、ピンに絡む。
本人も「18番が物語る」と言ったように、屈指のパー3は手前のエッジから寄せてパーを拾った。
この日は4つのバーディもさることながら2番や、10番から3ホール続けて拾った1パットパーが光った。

「15番は、右手前から少し長めの2メートル半。あれも大きかったかな」と、静かに微笑む。
「普通ならピンを狙ってしまう場面も、真ん中を狙って行こうとか、ピン2つ分右でいいや、とか。そういう冷静さがあった。良い精神状態だった。去年とは変わった部分」と、42歳の昨年覇者は、ひとつ年を重ねてまた、円熟味を増して思い出の舞台に戻ってきた。

「自分に期待している」と、連覇への欲もチラリと覗く。

もっとも、元来の心配性はなおらない。「ショットの大きなミスがたまに出る。それが今年、まだ勝ててない要因。今週は良いスタートが切れたことで、優勝したいという余計な気持ちが出たり、いまの自分の状態以上の結果を期待してしまうんじゃないか、という不安はある」と、やっぱり最後は懸念を口にした。

だけどすぐにまた穏やかに微笑んで、「とはいえ不安の中で、今まで10勝してますからね。このままの自分でいいということでしょう」と、いくつ年を重ねても、根っからのマイナス思考を変える気など、さらさらない。

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