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コカ・コーラ東海クラシック 2011

上井邦浩は「特に勝ちたい」

三好での思い出はたくさんあるが、一番心に残っているのは、コース向かいの名古屋商科大学時代。同校ゴルフ部の練習コースは、まだアマチュアの学生には、その難しさがなおさら堪えた。

「1ホールで十数打を打ったことがある」。崖下からの脱出は、どう打っても山の向こうに超えられなかったばかりか、転がり落ちてきたボールはことごとく、後ろのOBゾーンに。

「何回打ったか数えられなくなったくらい」。

三好の怖さは、プロになった今も変わらない。まして、2005年から所属契約を結ぶヘッドプロとしての重圧も加われば、たとえ我が庭であっても、思うようにゴルフをさせてもらえないというのも、頷ける。

それでも今年はいつになく、好調のまま帰って来られたことが本人にも嬉しい。ショットも、今週はマレット型からL字タイプのパターに変えたパッティングにも手応えがある。

この日水曜日のプロアマ戦では、それを確証するプレーもあった。
1番ホールで、ピッチングウェッジで打った130ヤードの第2打を直接入れた。「カップを崩してダイレクトに入った」と、パー4でのイーグルに自信も深まる。

いつしてもおかしくない、といわれる逸材ながら、ツアー初優勝はまだ。「もちろん、勝ちたい。それはどの試合でも同じだけれど、今週は特に」。所属プロの初Vなら、この上ない筋書きだ。

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