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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2011

池田勇太は「その気になってきた」

2009年以来、大会2度目のタイトルを、さっそく視野に捕らえる好発進。「勝ちたいという気持ちをどういうふうにゴルフに出すか」。若大将の駆け引きは、もう始まっている。

福岡は、週初めから降り続いた大雨に、完全休養に充てたせっかくの月曜日も「午後から街をぷらぷらしていてゲリラ豪雨に遭った」。雨宿りのファーストフード店で、そのまま「2時間閉じこもった」と、缶詰に。

翌日も午後から練習ラウンドの予定が、「土砂降りの雨」。コースに出られず、クラブ調整の時間に充てるしかなかった。

そして水曜日は、9ホールの短縮になったプロアマ戦。やはり午後からの雷雨は連日の雨が、コースコンディションに少なからず、影響を与えるのは仕方ない。

雨で成長した芝は、「ファーストカットからでも、飛んじゃうから悩んでしまう」。場所によってはフェアウェイからでも「フライヤーしている」と感じる部分もあり、普段以上に距離感に頭を使ったという。

ツアーでは唯一となった高麗グリーンは、今年「硬さも速さも十分」と、開催前から選手の間で評判だが、それでも連日の雨で「今日は逆目がものすごく重くて。でも順目はそれなりに行っちゃう」と、加減に苦しみながらも66。

「俺は高麗育ちだから」と、胸を張る。
1ヶ月前に使っていたものと同じタイプに、「さらに自分なりのアイディアを加えた」というニューパターも好調だ。
日々変わるコースの状況にも、きっちり合わせて戦うのが真のプロ。
海外を行ったり来たりの連戦に、「疲れていても、いいとき悪いときが当然、出てくる。それは本当にうまく付き合うしかないし、日本にいればどうにでもなる」と、日頃のケアも抜かりない。

いまは、絶好調とは言い切れないショット。「全部、真っ直ぐ飛んでくれればいいけれどそうはいかないのがゴルフでしょう。不安は誰にでもあるもの。いかに不安を消して踏ん張れるか」。そういう意味でも、「よく頑張れた方だと思う」と、まずは納得の大会初日だ。

ここ芥屋ゴルフ倶楽部は、好きなコースだ。それを知る周囲からは、「今週は優勝を意識してやったらどうか」と言われており、初日の好スタートに、がぜん「その気になってきた」。

勝つと決めた大会ではめっぽう強い。有言実行の男は「勝ちに行っても、勝てる保障はない。勝ちたいという意識を出しても空回りするだけの場合もあるし、出していったほうが良い場合もあるし、どうするかはその選手次第」と、微妙なそのさじ加減は、残り3日で余すところなく見せつける。

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