Tournament article

日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

谷口徹が首位タイ浮上

体調が回復したら、たちまち口も絶好調だ。ボギーなしの65に、「それは技術があるからです」と、したり顔で自画自賛。4番で6メートル、5番パー3は5番アイアンで3メートルのチャンスを沈めた。
さらに6番パー4は、残り87ヤードをサンドウェッジでバックスピンをかけてカップイン。

両手にガッツポーズで飛び跳ねた。その姿は、普段はクールな選手らしくない。
「いや、そのくらいはしないといけないでしょう? 盛り上がらない」。

2日でコースを去った石川遼に、主催者を気遣った。
「賞金王の予選落ちにはびっくりです。ギャラリーが、半減したんと違います?」。
心配したが、いえいえどうして。この日駆け付けた1万361人の大観衆を終始、強気のゴルフで魅せた。

グリーン上でも、いつもの谷口らしくない。
「ジャストタッチで打つイメージです」。
アンジュレーションがきつく、硬く速いグリーンと、この日のシビアなピン位置に、いつものカップをオーバーさせるような、パッティングの勢いはない。

「しかも、今日はつけたくても上りのラインについてくれなくて」。
なおさら「いつもの強気のタッチはなりをひそめた」。
しかし、それがかえって奏功した。
パーパットも危なげなく決めて、伸び悩むリーダーをいよいよ捉えた。

“鬼の霍乱”は先週の日曜日。ひどい風邪引きで2日、寝込んだ。
おかゆとか、消化の良いものばかりを選んで食べたおかげで、予選ラウンドでは本来の力が出なかった。ドーピング検査にひっかかる懸念があるから、点滴も打てない。

自然の回復を待つしかなく、ようやく熱も下がった2日目の夜はステーキで精をつけたが、「まだ本調子じゃないので、大きな発言は出来ないです」。
そう言ったそばからV宣言。
日本オープンは2度の優勝があるが、このプロ日本一のタイトルはまだ。
「久々にチャンスなので。そろそろ持って帰ろうと思います」。
狙った獲物は逃さない。

関連記事