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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2010

2週連続Vがかかる池田勇太は「今週も俺らしいゴルフで」

嬉しい悲鳴を上げたのは先週のANAオープン最終日。引っ越しと、今季2勝目が重なった。自宅に山のように届いた花束も、部屋は段ボールで一杯で、置き場所もない。祝電の配達人は、「いったいどちらにお届けすればいいのか」。困ったように問い合わせの電話をかけてきて、母のゆみさんとともに、対応に追われた。

「同時に、今週の支度もしなくちゃなんなくて。ウェアが入った段ボールを捜すのに、1時間もかかっちゃったよ」と、苦笑いで顔をしかめた。

ドタバタの会場入りは、いざ開催コースの六甲国際ゴルフ倶楽部に来てみると、「非常にタフなセッティングで」。今度はほんとに悲鳴を上げた。

深いラフはところどころでティフトン芝が交じり、それがまた難度を増している。アマ・プロ問わず、アジア太平洋地域のトッププレーヤーが集結するこの「アジアパシフィック パナソニックオープン」は、池田の母校である東北福祉大の在校生たちも多数、エントリーしており、大会前日の22日(水)の練習日は、可愛い後輩たちを引き連れてのラウンドに、改めてコース攻略の基本をキモに命じた。

「フェアウェイキープは絶対条件。あとは、グリーン上で気持ち良くパットが決まってくれれば」。

幼いころから尊敬してやまないジャンボ尾崎とは、前日火曜日のプロアマ日に顔を合わせた。
先週の優勝報告をしたら、ジャンボは満面の笑みで「お前、泣いてたな」。
「テレビにばっちり映っちゃいましたね」と、照れ笑いで返したが、今振り返っても最終日は、それほどまでにシビアな戦いだった。

同組のJ・チョイとの大接戦に、普段はめったに緊張しないという専属キャディの福田央さんも、「珍しく緊張していた」という。
死闘を制した安堵と喜びに、自然と涙が流れ出ていた。

「今週も、2週連続で感動の涙をよろしくね」と、関係者に目配せされて、「そんな簡単にはいかないよ」と一応は一笑に付したが「まあ今週も、俺らしいゴルフが出来れば結果がついてくるんじゃないかな」と“勇太流”の闘志をにじませた。

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