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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2010

薗田峻輔が単独首位に

この日2日目は、午後スタートの最終組で上がってきた“ルーキー”が、初の単独首位に立った。当時、ハニカミ王子と呼ばれていた石川遼が、「王様のゴルフ」と評した。石川も尊敬してやまない“遼クンの先輩”が、いよいよ本領を発揮した。

夕方は小雨交じりの天候に、最終18番を迎えたころにはすっかり日も暮れて、視界不良の中で、残り250ヤードの第2打は、「フェアウェーだったし、迷いなくグリーンを狙った」。
躊躇なく振り抜いた5番ウッドは手前6メートルに、音を立てて着地した。
雨中のイーグルトライは惜しくも外したが、タップインのバーディ締めで、混戦から抜け出した。

足場が悪い中でも、「白のズボンが汚れていない」と得意満面。この日選んだ真っ白なスラックスは、泥はねひとつついていない。というのも、フェアウェーを外したのは、バンカーに入れた9番だけだ。常にコースのど真ん中を闊歩して、「ピンチというピンチもなかった」と、ボギーなしの65はツアー自己ベストの完璧な18ホールを振り返った。

昨年のファイナルQTを突破して決意したプロ転向。出場優先順位は22番目につけて、今季からツアー初参戦。しかし、開幕から2試合連続で予選落ちをした。いきなり洗礼を受けて、「フェアウェーキープの大切さが身に染みた」という。

「あれから色々研究して8割のスイングで、狙ったところに必ず置きに行くイメージです。なおかつ、ティショットで290ヤードくらい飛んでいたら嬉しいかな」。
この日の7アンダーに、重ねた研究成果への確信が深まった。

開幕前は「もう、QTの雰囲気は味わいたくはない。今年は、シード権の確保が最低ラインが目標」だった。
杉並学院高の2つ後輩の活躍にも、「まだ、観戦状態」。先週、石川が初めて4日間を戦った全米オープンは「自分があそこに行くというイメージはまだ出来ない。見入るだけです」。
昨年、年間4勝の石川の活躍も、史上最年少の賞金王もまだまだ遠い道のりだ。

それでも、こうして結果がついてきて、徐々に自信が沸いてきたら、おのずと目標も高くなる。
「ルーキーでの優勝も、夢ではある」と、打ち明けた。
今大会は、全英オープンの日本予選もかねており、大会の上位4人にその権利が与えられる。「そりゃあ、行きたいです。セントアンドリュースはゲームでしか回ったことがないですし」と、メジャー出場への可能性には思わずニンマリ・・・。

まだ3日目だが、決勝ラウンドで初めて経験する最終組に「緊張するんじゃないですか? でも僕の場合はそれも、興奮に変わるもの。緊張を楽しみたい」と、石川に負けず劣らずの強心臓ぶりをうかがわせた。

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