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三井住友VISA太平洋マスターズ 2010

今田竜二は「優勝するために、来ている」

2010年は、苦しい年になった。2月に、肋骨にヒビが入っていることが発覚。しばらくはその事態にさえ気づいておらず、病院で診断を受けたときは「ショックだった」と振り返る。

治療もままならないまま、奔走した今シーズンは終盤まで落ち着かない日々を過ごした。
序盤に2度のトップ10入りも、7年目のシード権を決めたのは10月。フライズドットコムオープンで、今季自己ベストの6位に入り、ようやく息をついた。

「シードもなかなか決まらず、練習もしないといけないのに体のせいで、やっちゃダメという状況が続いて。ずっと思い詰めていたので、ようやく肩の荷が降りました」と、改めて当時の心境を語った。

「全体的には良い年ではなかった」というが、終わり良ければすべて良し。
苦難の1年は、母国ですべてさっぱりと、鬱憤を晴らしたい。

この三井住友VISA太平洋マスターズは3年連続4度目の出場に、「優勝したい。そのために来ている」と、もはや日本での初優勝しか頭にない。

予選2日間は、ディフェンディングチャンピオンの今野康晴と、石川遼と同じ組。
特に石川は、「あんなに早く振って、あんなにボールが飛ばない今田さんのロブショットは衝撃的」と、今田の米仕込みのアプローチに相当の関心を寄せており、本番でもそれを生で見られることを、かなり楽しみにしているようなのだ。

「そう言ってくれると嬉しいですが」と、満面の照れ笑いで「遼くんも、凄い選手に成長しているので、置いていかれないように。しっかりついて行きたい」と、34歳は謙虚に話した。

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