Tournament article

マイナビABCチャンピオンシップ 2010

矢野東「今週は気持ち良くやっている」

こだわっていたフェード一辺倒を止めたのは、今週水曜日のプロアマトーナメントでの事。チームスコアが3アンダーで最下位になり、アマチュアの方が自分の練習を見守る姿に「よっぽど下手だったんだなって。」

2008年には、片山晋呉と「カシオワールドオープン」まで賞金王争いを繰り広げ、賞金ランキング2位と躍進した。連続出場した10試合でトップ10を記録し、自身初の年間獲得賞金1億円も突破した。
自身最高のシーズンを送ったが、それから「つらい2年」を過ごす事になる。

きっかけは、賞金王争いの中で感じた1番になるためのゴルフ。「どうあがいてもあのままだと1位になれない。片山さんを抜くのは95%無理だった。」
飽くなき探求心で、「スイングのこと、クラブの動き、フェースの向きがどんな感じで当たればどう飛んでいくのか」まで勉強した。

しかし、結果は裏目に出て「頭でっかち」な状況に陥った。
昔の良い状態の時のスイングやアドレスを繰り返し見直したが、思い出せない。

今年にいたっては、「気持ち良くゴルフをできた試合はない」という。関西オープンの最終日に「64」をマークし、単独2位になっても「たまたまですね。かみあえば調子が悪くてもスコアは出るから」。

そこで見出した究極のボールは、ストレートの弾道で落ち際にフェードやドローにすること。33歳になって、もう一度ゴルフを作りなおしている最中だが、復調の兆しもある。

まさに、今日の18番ティショットは「自分が打てる最高の球」と絶賛した。
それに、飛距離も伸び始め、「キャリーで285ヤードは飛んでいる。気持ち良くボールをつかまえられている」。

同組でラウンドした金庚泰も「ドライバーはいつも10ヤード置いていかれるのに、今日は30ヤード置いていかれた。今までとはゴルフのスタイルを変えていた。今日のプレーはすごかった。」と賛辞を贈る。

明日は2009年の「キヤノンオープン」以来の最終日最終組だが、気負いは全くない。今は「大学生に戻った感覚で、本能でゴルフをしている」。スコアを意識せずに、自分のボールをコントロールする事に集中力を傾ける。

明日は1番になれるゴルフで、2年ぶりのツアー優勝なるか。



関連記事