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ブリヂストンオープン 2010

丸山茂樹がボギーなしの67で2位タイ

96年の連覇を含む3勝をあげているホスト試合で丸山が、上昇のきっかけを掴んだ。ボギーなしの67という完璧な内容は課題のショットに復調の兆しが見えてきたことに加えて、得意のアプローチが「良いヘルプをしてくれた」と、久しぶりのマルちゃんスマイル。

ことしは9月をさかいに、らしくないゴルフが続いていた。ANAオープンから数えて先週まで5試合のうち、実に4試合で予選落ちを喫した。
パナソニックオープンでは初日に79を打つなど、先週まで12ラウンドで、一度も60台が出せないという惨状に、本人も首をひねるばかりだった。

「練習場でちゃんと打てるのに、コースに行くと出来ない。その理由が分からない」。

先週は、愛知カンツリー倶楽部で開かれた日本オープンでも週末にコースに残れず、その足で思わず神頼みだ。
「伊勢神宮に、お詣りしてきました」。
御利益は十分にあった。

そして地元開催の今大会は久しぶりに師匠で父の護さんが、練習ラウンドから駆けつけ、たった一言でキリが晴れた。

「リズムが悪いんだろう」。

いざ本番で思ったように打てないのは、練習時よりも、スイングのタイミングが早くなっているから。
護さんに言われて、合点がいった。
「オヤジに言われたとおり、今日はリズムだけを注意した」。
たちまち好発進につながった。

9シーズンを戦ったアメリカから持ち帰った「ドライバー病」。いわゆる、「ドライバーイップス」はその対策として、ヘッド体積400CC以下、またシャフトは44〜45インチのドライバーを使うなど、それもすべて護さんのアドバイスだ。

昨年のツアー最終戦で、10年ぶりの国内10勝目は、そのたまものだがいまも完全克服できたわけではない。
「ドライバー病は、この年代の選手なら誰でも、なかなか抜け出せないものだから」。
これまでのプロ19年間は、良い思い出ばかりではない。「ゴミ箱にたまった悪い記憶は入り切らなくなったものを、きちんと処理していかないと、たまったゴミからアレルギー症状が出たりするからね」と、今も格闘の日々は続く。

大会主催のブリヂストン契約プロは、「こんなゴルフが4日間、続いてくれればいいんですけど」。祈る思いで、袖ヶ浦で4度目の恩返しを狙う。

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