本名は、リー・ドンファン。昨年のファイナルＱＴでランク48位につけたのを機に、日本でのプロデビューを決めたとき、「みなさんに親しんでもらおう」と、登録名をいまのようにした。

果たして狙いは当たった。
伝説上の人物にたとえて“色男”などといった意味もあるそれは、ある日いきなり大爆発をしてスコアボードを駆け上がってくると、ますますインパクトがあった。

特に、優勝争いを繰り広げた８月のアンダーアーマーＫＢＣオーガスタで一気に名前を売った。
その由来について聞かれることが、途端に増えた。

「よく、ほんとうにプレイボーイなのか、と聞かれるんです」と、頬を染める素顔はしかし、そんな形容とはほど遠い。

韓国の高麗大学１年生が、日本での戦いを始めて約１年。
「今年３月から勉強を始めた」という覚えたての日本語で訥々と語る表情にはあどけなさが残る。

「地味な色は、テンションが上がらないから」と派手な色を好んで着るがそのスタイルと、実際の謙虚な物腰と、堅実なプレーぶりにはかなりギャップがあるかもしれない。

今年、史上最年少での初シード入りを果たした19歳は、来季も引き続き記録更新に挑む。
スペインのセベ・バレステロスが77年の日本オープンで樹立した、20歳と7ヶ月の記録を破るために。
２００７年も挑戦が続く。

リー・ドンファン
１９８７年４月９日生まれ、韓国出身。身長178センチ、体重75キロ。日本ツアーでの選手登録名は「ドンファン」。
10歳のとき、ゴルフを始める。
２００２年の韓国ジュニアと韓国アマ制覇。
韓国ナショナルチーム代表の資格で出場した２００４年の日本アママッチプレーは決勝戦で伊藤涼太を破って頂点に立った。
日本の大学からの誘いもあったが、現在は韓国の高麗大学１年生。
試合のない日は母国に戻って、体育教育学科で学業に励む現役大学生だ。
ちなみに、卒業生には昨年の全米女子オープンを制したバーディ・キムがいる。
あこがれの選手は、日本ツアーで活躍中のＳ・Ｋ・ホ。