記事

ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2006

市原建彦「確信は持てないけれど・・・」

先週の日本オープンにも出場権がなく、2週間のオープンウィークを経て迎えた今週。「しばらく出ていなかったからかな。ツアーのグリーンって、こんなに速かったっけと・・・」。
前半こそ高速グリーンに戸惑ったが、後半から爆発。

折り返しの1番で、残り50ヤードの第3打をサンドウェッジでチップイン。
2番で、左ラフからのショットがバンカーのヘリに当たって運よくピンに寄るなど、「ラッキーが重なってこのスコア」。

だからこの日の好スタートにも「確信が持てない」と、本人は少々頼りなげだが今年7月の全英オープンでメジャー初舞台を踏み「あれを経験したら、めったなことでは動揺しなくなった」と語るなど、着実に成長をとげているのは確か。

今季初シードをほぼ手中にできた“秘訣”は、コーチの井上透さんが開発したという練習器具だ。
「インパクトゾーンマスター」というそれは、最近、片山晋呉も目をつけて使い始めた優れもの。

先週、ナショナルオープンチャンピオンに輝いたポール・シーハンも、その前週に母国オーストラリアでそれを使って特訓し、栄冠を手繰り寄せたという。

「・・・僕が使っているときはみんな、見向きもしなかったのに」と、むくれた市原。
「でも、シンゴさんとか、シーハンが勝ったらいきなり注目が集まっちゃって。こんなに流行っちゃったら、みんな上手くなっちゃって困ります!」と悲鳴をあげた。

市原建彦プロフィール
1978年11月17日生まれ。茨城県の水城高校出身。3年生の96年に世界ジュニアで優勝した。そのころから、すでに身長180センチを超え、大型プレーヤーとして将来を嘱望された。そのあと、名門・日大に入学したものの「刺激がない」とたった3ヶ月で中退。98年にプロの世界に飛び込み、2000年にはアジアンツアーのタイランドマスターズで優勝するなど、活躍を期待されてきた。
だが、そのあとはツアー優勝はおろか、シード入りもまだという状態。今季も、ファイナルQT(ランク11位)からの参戦だが、「これが僕の実力だったんです」と、本人はカラっと言う。
「これまでは単なる勢いだった」と冷静に自分を見つめ、2年前にはプロコーチの井上透氏に師事。ドローボールからフェードへのスイング改造に取り組んできた。
 その成果は確実に出ている。日本予選のミズノオープンで自己最高位の2位につけて、全英切符を獲得。初のメジャー舞台を経験したおかげで「めったなことでは動揺しなくなった」と、頼もしい。
「いまは、悪くなっても自分で“こうすればよい”という形が出来つつある。そういうのがないと1年間を戦い抜けないことも分かってきた」という市原。精神面の成長も目覚しく、今年初シード入りに当確ランプをともした。

関連記事