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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006

井手口正一チャレンジトーナメントからの初シード入り

シード権争いのほとんどの選手たちにとって事実上の最終戦。このカシオワールドオープンを終えて、初シード入りが決まったのはこの8人。

武藤俊憲、市原建彦、とW・パースキー、富田雅哉と韓国のドンファン、岩田寛とすし石垣と、最後に井手口正一だ。

大会が始まる前の、井手口の賞金ランクは69位だった。ほぼ“圏内”にいたとはいえ、この週はそれまで“圏外”にいたシード選手たちの奮闘が目立った。
「ここで予選落ちでもしたら俺もやばい。相当、ビビってました」。

なんとか予選通過を果たしても、落ち着かない。
逐一、スコアボードをチェックしながらのプレー。
自分とランキングの近い選手の順位をチラチラと意識しつつ、どうにか50位タイに踏みとどまって賞金ランク69位のまま初シードを手に入れた。

2週前に、シニア認定プロでもある父・一幸さんが腰の手術をしたばかり。
病院のベットの上から「絶対に予選落ちだけはするなよ」と言われていた。
「今日も、パソコンにしがみついて僕の成績をチェックしていると思う。これで、良い報告ができます」と、胸を撫で下ろした。

今季、チャレンジトーナメント賞金ランク1位の資格で、ツアーに本格参戦。
そんな井手口が折に触れて言うのが、「僕はチャレンジのおかげでここまで来られた」ということだ。

レギュラーツアーの“予備軍”でもあるのが同トーナメントだ。
そこから、次代のスターが誕生するかもしれない。
将来は井手口が、その道をたどっていくかもしれない。

選手たちの未来の可能性にかけて、その舞台を用意してくださった主催者には、自然と感謝の思いが沸くのだそうだ。

「この先、チャレンジの試合がひとつでも減らないように・・・僕が頑張りたい」。
井手口が来季ツアーで、チャレンジの星となれるか。

井手口正一(いでぐちしょういち)プロフィール
1972年11月5日生まれの33歳。熊本県出身。
シニア認定プロの父・一幸さんのてほどきでゴルフを始めた。
名門・近畿大学に入るも「簡単になれそうだ、と勘違いした(笑)」。
一幸さんの勧めもあって、3年で中退してプロの道を目指したが、甘くはなかった。
5回の受験ののち、プロ転向を果たしたのは99年。
そのあとも稼げない時期が続いていた。
昨年、二部ツアーのチャレンジトーナメントで2勝。賞金ランク1位の資格で出場権を獲得した今季、賞金ランク69位でみごと初シードを獲得した。



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