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市原建彦“ベストパートナー”とともに、いざリンクスへ!

全英オープン日本予選・最終戦ミズノオープンで大会2位に入って出場権を手にした市原は、「これまでやってきたことが、間違いじゃなかったと確信できた」という。

茨城県の水城高校時代に世界アマを制した逸材だが、プロ9年目にしていまだシード権はなし。
その大きな要因は生来の「ビビリ症」にあると、2年前からコーチの井上透さんと「どんな場面でも対処できるスイング」を目指して取り組んできた。

ツアーの出場権さえない時期も「技術を磨いてきた」。地道な努力がいま、実を結んだ。
自己ベスト順位で初シードに一歩大きく前進したばかりか、初のメジャー切符も獲得。
その瞬間、専属キャディで弟の大輔さん(=写真左)と喜びを分け合った。

兄弟だから「素直になれなくてやりにくい面もある」(大輔さん)というが、逆に「兄弟だからこそ、言いたいこと言い合って一緒に成長していける」(市原)という利点もある。

今回の渡英でも、もちろんタッグを組む。
兄弟で“ホイレーク”に乗り込む。
「アニキとは、メジャーならではの空気を思いっきり楽しんで来ようと話している」とは、大輔さん。

たとえばタイガー・ウッズは練習日、まだギャラリーの少ない早朝にひっそりと会場にやってくる。スタート表の空いたところに適当に名前を書き入れ、早めに練習ラウンドを済ませることが多いという。
タイミングが良ければ、同じ組でプレーできる可能性もある。
「それを狙って、僕らも毎日、朝早くから会場に行くつもり」と大輔さんは言う。

また誰より市原の理解者でもある弟は、「兄と海外ツアーとの相性の良さ」を口にした。
市原には、アジアンツアーでの優勝経験もあるが「ジュニア時代からアニキには、見知らぬ土地で良い結果を残す傾向があった。だから今回も、余計なプレッシャーさえ持たずにプレーできれば、そこそこやれるのではないか、と・・・」。
ひそかに期待を寄せているようだ。

世界最古のメジャー戦は「テレビでしか見たことのない、未知の世界」とは市原。
「そこで自分がいったいどうなってしまうのか、まだ想像は全然つかないけれど。これまで取り組んできたことをどこまで出しきれるか・・・。とにかく、頑張ってきます」と言い残して兄弟仲良く旅立った。

第135回全英オープン
土地の名前を取って、通称ホイレークとも呼ばれるロイヤルリバプールゴルフクラブが舞台。1930年に、ボビー・ジョーンズがグランドスラムを達成したことでも有名なこのコースでの開催は、実に39年ぶりとなる。
英国ゴルフ協会の最高責任ピーター・ドーソン氏は、「出場するほとんどの選手にとって初めて見るコース。それだけに、どの選手にもチャンスがあるといえる。思いがけないニューチャンピオンの誕生も期待できる」と、している。

7月20日に開幕するこの今季メジャー第3戦には、10人のジャパンゴルフツアープレーヤーが参戦する。
10人の精鋭たちが、遠くイギリスでどんな活躍を見せてくれるだろうか。

片山晋呉(世界ゴルフランキング50位内)
今野康晴(2005年賞金ランク2位)
深堀圭一郎(同3位)
タワン・ウィラチャン(アジアンツアー賞金王)
S・K・ホ(全英オープン日本予選・最終戦ミズノオープン優勝)
市原建彦(同2位)
デービッド・スメイル(同2位)
ウェイン・パースキー(同4位)
谷原秀人(全英オープン日本予選ランキング1位)
武藤俊憲(同2位)


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