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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

米国仕込みのパットとアプローチで、今田竜二が上位進出

初日、2日目を一緒にまわった芹澤信雄が舌をまく。「どんな状況でも、強烈なロブショットで寄せてくる。パットもうまいし、ルーティン(ショットに入るまでの動作)も23歳とは思えない」。
14歳で単身渡米、ゴルフの修行を積んできた。うねる芝とグリーンの形状のため、簡単に転がせない状況の多い米国では、柔らかく上げて落す、アプローチショットが必要になる。今田は、今大会でその技を多用している。
最終18番パー5。グリーン左奥に打ちこんだ第3打でも、クラブをめいっぱい開き、高く上げるロブショットを披露した。カップ手前に落ちた球は、ラインに乗ってまっすぐに転がり、あわやチップイン。タップインで、10センチのバーディパットを沈め、通算イーブンで5位タイにつけた。
「あれは、23歳のゴルフじゃないね」と同組の芹澤。「プレー中は、いっさいの雑音も周囲のことも入ってないし、自分の世界に入りこめている。むこうでの生活が長かっただけに、本当の意味でのアメリカ仕込み。今田君はまるで外国人だよ」(芹澤)。
ホールアウト後、今田は「このゴルフ場は、辛抱して辛抱してパーを取っていくつもりじゃないと、バーディも取れないですからね」とニヤリ。悪天候の2日間も、クールに終えた。

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