記事

つるやオープンゴルフトーナメント 2003

2位タイの佐々木久行、復活の予兆

昨年、一昨年と、2年連続で賞金ランクによるシード落ち。「打てばディボットと か、ゲームの流れも 悪かったし、精神的にも悪い方、悪い方ばっかり考えて、ゴルフがちっとも楽しくな くなった」
唯一の気晴らしは、趣味のパチンコくらい。 「プレー中はイライラしてキャディに当たったり、気持ちまで暗くなって。ほんと苦 しかったですね ・・・」と低迷の2年間を打ち明けた佐々木。

昨年まで、使用が認められていた高反発系のドライバー。誰もがその恩恵を受けたと いわれた最新ギア も、佐々木にはかえってアダとなっていた。 出始めのころ、「飛ぶ」と言われさっそく使ってみたが、思ったより効果が得られな かった。
「むしろショットがブレて安定感がなくなったんです。なのに周りを見ると、自分よ り飛ばなかった選 手が急に僕の前を行ったりして。それを見て『俺も』と、リキむから余計にスイング を崩す。悪循環で したね」 時期を重ねるように、ズルズルと成績を落としていったのだった。
しかし、今年から日本ツアーでも、反発係数の世界基準を適用することが決まって、 佐々木の悩みもウ ソのように晴れ渡った。 反発係数を抑えたドライバーで打ってみると、途端に球筋が安定しこの日もほとんど のホールでフェア ウェーを外さなかったのだ。
120ミリ以上成長したラフに、今週、会場入りした当日はゲンナリしたものだった が、「こんなに良い スコアでスタートできたのには自分でもビックリ。これならやれるかも、という気が してきました」と 、表情にも笑顔が戻ってきた。
「今年は、自分に期待してもいいんじゃないかな」。
ここ“山の原”が、過去ツアー通算3勝の、佐々木の復活劇の舞台となるか。

    関連記事