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マンシングウェアオープンKSBカップ 2002

「“全英に行けるかも”と…(笑)」単独首位発進の上田友昭

シード権をもたない上田が、自身初の単独首位発進だ。
 今季は、これがツアー初戦。
 なかなか、出番が回ってこなかった鬱憤を晴らす7バーディ(ノーボギー)に、夢が膨らむ。

 満を持しての出場だった。
 昨年のQTランク25位の上田友昭は、今季ツアー初出場。
 今大会までに、3度、現地ウェイティング(※以下)を試みた。
 東建、つるや、フジサンケイ…。
 だが、どれも、あと一歩のところで、出場はかなわなかった。
 「調子がよかっただけに、出番を待ち望んでました。今週が、やっと僕の“初戦”です」。
 出場優先順位が繰り下がってきて、念願かなったこの日初日は、まさに、これまでの鬱憤を晴らすかのようなラウンドで、7つのバーディを積み上げた。

 今週の会場『鮎滝CC』は、総距離は6697ヤードとそれほど長くないかわりに、ピンポイントの攻めが要求される。
 「飛距離だけではアドバンテージが取れない。僕らのような選手は、こんなコースで、頑張っておかないとね」との言葉どおり、この日、フェアウェーを外したホールは、たった2ホールだけ。
 刻みに徹して「“置き”に行ったのが、今日のこの結果」
 “開幕戦”で、堂々の首位発進に笑顔がほころんだ。

 ゴルフの道に進むきっかけは、大学卒業後、進路を決めかねてぶらぶら過ごしていたころ。
 たまたま見に行ったトーナメントで、高見和宏に出会った。学生時代にキャディを務めたことがあった選手が、
 「また担いでみないか」と、声をかけてきた。
 その後、しばらく高見のキャディを務めた上田は、翌年、高見が初挑戦した全英オープンでも、バッグを担ぐことになる。
 「とにかくギャラリーがすごい、と思った。いつか、こんなところでプレーする選手になりたい、と」

 先週から、2002年の全英オープン・日本予選が始まっていることは、承知している。
 「先週、イギリスに住んでる友達に、“今年、行けるかも”って言っといたんです。…なんて、もちろん冗談で、ですけどネ」
 笑顔でごまかした上田だが、今週もし勝てば、まんざら、ジョークでもなくなる。


※現地ウェイティング制度
 欠員に伴う繰り上げ出場を希望する選手が、現地に待機して、出場のチャンスを得ること。
 その際、選手はトーナメント開催週の火曜日午後7時半から午後5時および、水曜日の午前7時半から正午までに会場で手続きを行っておく決まりがある。さらに、当日朝、スタート時間の40分前までに、所定の用紙に記名し、初日のスタート終了まで現地に待機しておくことなどの、取り決めが設けられている。

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